ユキシズクがリリースされたのは
決戦前夜のカップリングだから
2016年の5月か。
曲ができたのは
2015年の初夏か、そのくらいで
その当時ツイッターでつぶやいたんだけど
夜ギターを弾いてて
めちゃくちゃいいメロディが降ってきた!!
と思って、興奮しながらギターを弾いていた。
で、ギターを弾きながら鼻声でフンフン歌ってたら
ギターの1弦が突然鳴らなくなった。
なんだ??と思ってギターをよく見ると
俺が勢い余ってフンフン歌ってたので
ハナクソが飛んで
弦にくっついて鳴らなくなっていたのである!!
ど、どんだけ~!!
それがユキシズクのサビのメロディで
そこから膨らませて曲を作っていったんだけど
頭からつま先まで
とてもよく出来た曲なんだけど
なんじゃろ。
生徒会長みたいなところもあるけど
教室の隅で一人でいる子の横にも寄り添っているような

優しくしたい人がいる、のブログで
曲が5曲くらいできたって書いたけど
ユキシズクはその中の1曲で
その時、うしおととらのタイアップ
決戦前夜の話が進んでて
カップリング曲も決めといて
みたいな流れだったので
これはもう、決戦前夜を食う勢いの
むしろこっちの方がA面でしょうみたいな曲を
絶対持ってこようぜ、っていう話で
その中でユキシズクは
もうこいつしかいないでしょうって感じで
満場一致で抜擢された。

この曲もリフは
あれやね
デモ通りだったね山下君は。
俺が適当に考えたリフを
元がいいのよ…結局、元が…
的な。
よかったけど。

悟はこれも徳間の品川さん案件だったので
フレージングはとても慎重だったと思う。
桜井さんも。

決戦前夜のカップリングということで
アニメの製作委員会も絡んでて
レコーディングも向こう持ちだったので
なかなかいつもと勝手が違って大変だった。
いつもなら
全員で録ってワッショーイみたいな感じか
クロスロードスタジオなら
一人一人になるけど
まあ勝手がわかってるのでペース配分もわかる。
けどこの時はそういう訳にもいかずで
とりあえずドラムとベースを録ります
っていうリズム録りの日があって
俺と山下君はとりあえず居合わせただけなんだけど
次の日、俺と山下君は朝一で札幌に行かねばだったんだけど
まあいつもの感じでいけば夕方には終わるっしょ♪
と優雅に構えてたら
終わったのは深夜25時
俺と山下君はひたすらスタジオにあった漫画を読んでいた。
(ちなみに俺はナウシカ、山下君はイニシャルD)
そこからバラして家に着いたらもう4時
1時間後には起きて支度して家出ないといけない。
寝れねえじゃん!!
まあ、それは話すと夜が明けちゃうくらい長くなるので割愛。

ユキシズクの歌詞は
白い声をオマージュしている。
何もかもが綺麗で
とか
キラキラ眩しくて
とか
歌詞を書くちょっと前に
ファンからお手紙をもらって
こんなにも時間が経っているのに
自分は白い声の時から一歩も動けないでいる
みたいな内容で
その子は
俺らが2009年かな?
AT0Mのツアーの企画で
インタビュアーを募る時にも参加してくれたし 
なんだろな
俺はよくお手紙をもらうけど
面と向かってお話すると
照れちゃう人もいるし
でも手紙だと
俺を信じて全部吐き出してくれる人が
少なからずいて
優しくしたい人がいる、のブログからも繋がるけど
そうやって、俺に吐き出してくれるのが
嬉しくもあるし
ほんまにがんばったねえ、と愛おしくもあるし
それで、
こんなの言い古された言葉かもしれんけど
今、君がしんどいのは
絶対前に進もうとしよるからだと
寒い冬に布団に包まってるのは最高だけど
これはもう格別に最高でそして生産性がまるでないけど
と最近ビシビシ感じるけど
そこから抜け出して春に向かおうとしてるんだと
そう伝えたかった。
悲しみや不幸や苦しさに単位はない。
あなたよりはるかに辛い、と見える人がいたとしても
それがあなたが、あなたの苦しさを悲しみを痛みを我慢する理由に
なっていいはずがない。
あなたの悲しみは
あなたの苦しみは
あなただけのものだ。
だからあなたの悲しみを、苦しみを
わかった風でいたくないし
かといってわからないから、じゃあね
ともしたくなくて
どうしていいかわからなくて
だから、黙って傍にいるしかないなっていう
祈るしかない
それってなんの役にも立たないかもだけど
なんもできないよりマシなんじゃないかと
自己満足かもしれないけれど。
そういう、祈りみたいなものを込めて歌詞を書いた。

ユキシズクというタイトルは
なんでだったかな?
スノードロップという花をなんかで知って
スノードロップの花言葉は
希望、慰め、でなんかぴったりだなと
だけどスノードロップだと
どうも俺らっぽくないなあと思って
直訳してみるとユキシズク
まんまだけど響きが良かった。
ユキシズクで調べてみると
これはこれで春の季語だった。
いつもなら
雪雫、とかにしそうだけど
ユキシズクの方がなんかそれこそ
花の名前みたいでしっくりきた。
タイトルをユキシズクにしようと決めてから
歌詞もだいぶ書き直した。
舞い落ちる雪
ネオンの雫
のとことか
これは言葉遊びだけど
とても綺麗な表現ができた。
声と 光と 色
夢と現 十色
の言葉遊びとかも。

そういう言葉遊びのギミックもだし
やっぱり伝えたい思いがちゃんと書けたから
いろんな意味で本当にいい詞だと思うし
歌詞集で読み返しても
詩としても言葉が綺麗でテンポが良くて
いい詩だと思う。
自分で言っちゃうけど。
俺、本当にいい詞を書くな~と思う。つくづく。
これ自画自賛、というよりは
自分で書いてるから当たり前なんだけど
歌詞集を読んでると、まるで他人事みたいに
わ、この歌詞すごいな…って思うんですよ。
本当に俺が書いたのかな?みたいな。

ユキシズクは、そんな曲なので
ライブでやるときは
楽しい、とかそういう気持ちよりも
なんだか必死になってしまう。
役に立たなくてもいい
意味なんかなくてもいいから
ただ1ミリでも目の前のあなたのそばに寄り添いたいって
だからただただ必死になってしまう。
‎LUNKHEADの"ユキシズク"
‎曲・3:54分・2016年
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