続き!!

で、話が戻るけども
お祭りをテーマに歌詞を書こうと思った以上
どうやっても浮かれた楽しい歌詞にはなりようがないと思って
だけどもそこで
スタジオで浮かれまくっているメンバー達のことを思い出して
この曲はきっとどんな歌詞になっても盛り上がる曲になるだろうと
だから大丈夫だと
それで書いていった。
これは何かで言ったけど
こういう歌詞を書くときはいつも笹倉鉄平さんの絵を思い出す。
笹倉鉄平さんは俺が一番好きな画家なんだけど
特に好きなのは夜の喧騒を描いた絵で
人々の楽しそうな風景を誰もいないくらい場所から
独りぼっちで眺めているような構図が多くて
それが幼心になんだか沁みた。
そういう、笹倉鉄平さんの絵のような
楽しそうな人たちを独りぼっちで眺めているような
まるで自分はそこにいないかのような
誰にも見えていないかのような
そういう言葉選びになってしまう。
なので、スターマインは
歌詞だけ読むとなんだかとても寂しい。
とても寂しいからこそ曲が楽しいことに意味がある。
ライブで盛り上がることに意味がある。
それこそがお祭りだから。
そこにはちゃんとファンのみんなそれぞれの日々の
悲しみがあって寂しさがあって
誰しもに消えない傷がある。
それを抱えながらみんなで歌って騒いで踊って笑う。
そこまで含めての
スターマインのあの歌詞な訳です。
全部繋がってるんです。俺の中では。

Aメロの

どこからともなく
太鼓が鳴りますとんてんかん
屋台に灯が燈り
お囃子鳴りますちんからりん

のところ
徳間の新井くんが何故かとても気に入っていた。
音に乗ると非常にリズムが良くて楽しい。
けど文字で見ると何故か寂しい。
ここは言葉選びを大層悩んだ。
悩んだ末にこれ以上なくピッタリと収まった。
サビ頭からのリフからのAメロ
サビでは頭上に広がる花火を描写して
そこからの場面展開でふと見渡した周りの描写
それが二番になると

浮ついた街に
太鼓が鳴りますとんてんかん
誰もがはしゃいでいる
お囃子鳴りますちんからりん

と、祭りの熱気が増してきていて
時間が経っていることがわかる。
こういう風に曲の中で時系列を描いていくのは
割とよく使ってしまう。
インディゴとかもそうだし
きらりいろもそうだなあ。

ここの歌詞はもう
敬愛する中原中也のサーカスという詩のオマージュと言ってもいい
というか、でしかないかもしれない。

観客様はみな鰯
咽喉が鳴ります牡蠣殻と
ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん

という、あの有名なやつです。


レコーディングの時はもうお祭りソングってことで
やるならとことんやろう!ってんで
掛け声入れたり手拍子入れたり
やりだすとハマっちゃうので
山下君とエヘエヘ言いながら
曲の最後にドラを入れてみたり
ギターソロの前半にユニゾンで笛を入れてみたり
出来上がったのをいろんな人に聴いてもらった時に
音楽と人の金光さんに
デビュー10周年の曲がこれでいいの?
ってブツブツ言われて
いやいや、歌詞をちゃんと読んでくださいよって言ったけど
確かに俺らは大真面目でやってたけど
今改めて聴いてみると
LUNNKHEADどしたん…って思うぐらいはっちゃけている。
でもまあ、そのぐらいやったから
今こんなに盛り上がる曲になったんだ!
と、思いたい…

MVも、俺のそれでものアー写撮ってくれてたり
ライブもよく撮ってくれてるマイメンのカメラマン
オオタシンイチロウ氏にメガホンを持っていただき
本気で悪ノリしよう!!ということで
あんなMVになりました。
悟金タイツやし
いきなり一世風靡セピアだし
モノボケしよるし
ファンクラブの皆さんにエキストラで出演していただいたり
撮影も楽しかったなあ。
エキストラは応募してもらった中から抽選だったんだけど
その中で
ファンクラブ会員じゃないですけど大丈夫ですか?って
ロストインタイムの源ちゃんが
直接言うでもなく
普通に応募用のメールフォームから応募してきて
笑ったなあ。
バッチリ出演してもらいました。
小道具のカツラかぶってもらったら
まるで葉加瀬太郎さんみたいでした。
この頃源ちゃんはいろんな人のMVに出演するのにハマっていて
ロストチームからはPV男優と呼ばれていたそうです。
ギターソロも最高
山下君わざわざ衣装用意してきました。
で、T.M.Revolutionみたいに
風で髪をなびかせているんですが
その風がまさかの
悟がダンボールで必死に煽ってるっていう。
このシーンの後、悟まじでぶっ倒れてました。
さ、酸欠が…って
ライブであんなに動いてピンピンしてるやつが。

で、スターマインは前述したように
俺らのデビュー10周年記念シングル的な曲だったので
歌詞にも俺らの曲に出てきたいろんな人達が登場します。
帰り途や夕暮れのに出てくる浴衣の少女や
月と手のひらやプルケリマに出てくる親子や
サイダーに出てくる男女や
なのでMVでも10周年感を出そう!ってことで
過去のMV作品のオマージュがたくさん出てきます。
白い声、体温、プルケリマ、カナリアボックス、
夏の匂い、スモールワールド、シンドローム、閃光
衣装が残ってたのもあるし新調したのもあるけど
そこらへんも楽しんでもらえれば。
オオタくんが頑張ってかなりの再現度だと思う。
特に夏の匂いや体温のとことか。

こないだの名古屋で
ステージから見ていて
卓越した踊りの男の子がいて
周りに迷惑がかからないコンパクトな振りながら
リズムの取り方、腕の振り具合
悦に入った表情
すべてが完璧で思わず見とれてしまった。
ライブ後、物販でその子とお話した時
あれ?別人?と思うくらいシャンとしてた。
音楽ってすごいなー