2013年の2月、D.W.ニコルズが昼にUSTREAMをやってるのをPCで流しながらギターを弾いてたら
突然サビが降ってきた。
自分でもあまりにニコルズとかけ離れたサビが降ってきたのでビビった。
でもこれはいいメロディだ!!と思って
そこから膨らませて全体を作っていった。
この頃、ライブをしばらくお休みしてる頃で
でもメメントモリをずっと作ってたので
全然メンバー内での休止感はなかった
というか全然休止してなかった。
ただ、6月のAXワンマンに向けて
先行シングルを切ろう!という話になっていたのだけど
これだ!という曲がなくて
そろそろ出来んとヤバいな…という時で
閃光のサビが浮かんだ時
これだ!と思った。
(その後、いきているからが出来てしまったのだけど…)
A、B、と作ってイントロのコード進行をつけたのかなあ。
Bメロのギターバッキングのコード感がとても気に入ってる。
前半は俺と山下君は近いことをしてるんだけど
後半から山下君がフレーズに行くところもカッコよい。
Aメロのドラムとベースでズブズブしているところも
歌詞の静かな熱情と相まっててとてもよい。

この曲は絶対かっこいい歌詞にしたいなあと思って
どうしよう…と考えている時に浮かんできたのが
土方先生だった。
LUNKHEADの土方三部作
この剣斬れる、闇を暴け
そしてこの閃光
この剣斬れるは、まあインスピレーションを受けたってだけだけど
闇を暴けと閃光は
もろに土方先生の魂が散ったあの五稜郭のエピソードを歌詞にしてて
闇を暴けは、さあ最後の戦いが始まる!
というところまでを歌詞にしているんだけど
閃光は
土方先生がまさに絶命する瞬間までを描いている(つもり)
最後、ザン!って終わってるのはそういう意味で。
決戦前夜もうしおのことを歌っているけど
こういう、かっこいい憧れの人をモチーフに歌詞を書くのは
自分がその人になったような気持ちで書くので
小高芳太朗という人間からじゃ絶対に出てこないような
かっこいい言葉がどんどん浮かんでくるから
なんだか書いててドキドキする。

あなたの温もりも優しさも暁にそっと隠して

この手でそっとあなたを抱き寄せた日の事を思い出した

の、あなたは
いつかブログに書いただろうか?
ラジオで言ったのかな?
司馬遼太郎先生の燃えよ剣に出てくる
土方先生が愛したお雪さん、という女性なんだけど
これは実在した女性ではなく
司馬遼太郎先生の捏造だったと知った時は本当にショックだった。
それくらい土方先生とお雪さんの愛は美しかった。
でもいいんだ。
俺の心にはお雪さんがいるんだ。
俺の中の土方先生の心にはお雪さんがいるんだもん!
ということで
歌詞に登場してもらった。

歌詞のこと、というか土方先生のことを話し出すと止まらないんだけど
細胞が叫んで軋んだり
心臓が笑って弾んだり
苦しいまでに正しいほどに魂がここに在るな
という感覚は俺にもある。
今、俺めちゃくちゃ生きてるなと実感する瞬間。
俺はライブ中なんだけど
ある意味、命のやり取りなんじゃないかなあ、と思う。
土方先生のは奪いあうやり取りで
俺らは与え合うやり取りだけど。
真逆なんだけど。
なんだろ?伝わるかな?この感じ。
あのライブ中の、死ぬか生きるかの瀬戸際で
生かしあってる感じ。


閃光は結構歌詞が早くかけたような気がするんだけど
前述のAメロもそうだけど
歌詞とアレンジの親和性がすごく高いなあと思う。
山下君の炸裂するギターソロ
土方先生のめちゃくちゃすごい殺陣が目に浮かぶようだ。
これはものすごいソロ考えてきやがったな…と感動した。
コピーできるものならコピーしてみやがれ!
と、なんもしてない俺が自慢したくなるソロだ。

リフも、俺が思いつかなかったので
恒例の「ポップでキャッチーでクレイジーなの」
と言って山下君に考えてもらったら
いい感じにポップでキャッチーでクレイジーなリフを考えてくれた。
ただ、レコーディングの時に
ベーシック録って俺のギターダビングして
歌も録り終わって
じゃあ山下君好きなだけどうぞ、と
山下祭りに突入して
エンジニアと二人だけで録ってて
そろそろ録り終わるかな?とスタジオに入ると
山下君とエンジニアのクワマンが
なぜかゲラゲラ笑ってる。
再生してもらうと
とんでもない音でギターリフを弾いている。
螺旋のギターリフの気持ち悪い音は
リングモジュレーターというエフェクターを
普通の使い方じゃないくらいキツめにかけて録っているんだけど
あれよりももっと気持ち悪い音で
それを聴いて二人はゲラゲラ笑っていたのだ。
サイコーやねえ!とか言いながら。
アホかー!!全部録り直せー!!!
と言って(ほんとに言った)ほどよい音でやり直してもらった。

あと、メメントモリのツアーでバンドスコアを作ったんですよね。
FORCEまではバンドスコアをシンコーとか音専誌が作ってくれてたんだけど
こんな時代で、CD以上に紙業界は厳しく
俺らのバンドスコアじゃ儲からないので
孵化以降はバンドスコアがなくて
じゃあ自分らで作ろう!!
でもソフトがないよ!?
じゃあ手書きで作ろう!!
ってことで
ドラムのタブ譜は俺が起こして
壮と悟のパートは各々タブ譜にしてきてもらって
それを俺が手書きで清書する、というアナログ戦術。
いきているからと2曲だけだったけど
それでも地獄だった…
今思い出しても地獄だったな…
最後三日は徹夜だった…
ベースがさ、書いても書いても終わらないんだよ…
ちゃんとしたバンドスコアみたいに
タブ譜だけじゃなく五線譜まで書いてたから…
デッドの日が新宿タワレコのインストアで
その後、事務所に戻ってひたすら清書して
それを聖が消しゴムかけてくれて
明け方ズタボロで、間に合った…って
もう二度とやるまい…と思ったけど
人は痛みを忘れてしまう生き物で
うちにかえろうでまたやるっていう…
でもあのスコアは達成感がすごかった!!
だって手書きなのにちゃんとしてるでしょ?
持ってる人しかわかんないことだけど。

で結局、閃光は先行シングルにならなかったけど
(ん?閃光が先行?)
結果アルバムのリード曲になって
MVを撮ることになった。
このMVはLUNKHEADのくせにカッコイイ!とかなり評判が良かった。
撮ってくれたのは早稲田の理工写真部の仲間の浅野君。
俺を実際の500倍ぐらいエロく撮ってくれててありがとう!!