LUNKHEAD結成20
何もおめでたくはない。
めでたいなんて言ってられる状況じゃ全然ない。
崖っぷちで風が吹いたら落っこちて死ぬような状態でめでたいなんて言ってられない。

だけど、本当にありがたいなと思ってる。
俺らだけじゃここまで来れなかった。
出会ってくれた人たちすべてのおかげで
俺らここまでなんとかやってこれた。
崖っぷちでも生き残ってこれた。
だから
出会ってくれた人みんなへの感謝と
ここでくたばってたまるかよって思いと
そういう気持ちを込めて作ったplusequal
文字通り、俺らの勝負のアルバムで
めちゃくちゃいいアルバムができたと思うし
ツアー4本終わって、みかん祭やって
札幌福岡新居浜と3ヶ所みんなに会いに行って
そういう俺らの思いが伝わってるんだなあ、と
会いに来てくれたみんなからガシガシと伝わってくる。
だからめちゃくちゃいいツアーになってると実感する。
内容的には。

ただ、その先に全然伝わってないんだな、と愕然ともする。
パッとしない動員。
伝わってる人にはものすごく伝わってるけど
その先に全然届いてない。
売り切りたいと何度も何度も言っている
ファイナルのLIQUIDROOMも
2ヶ月を切ってまだ半分もチケットが売れてない。
このままだと埋まって見えるかどうかすら怪しい。

どれだけいいアルバムを作っても
いいライブをしても
届かなかったら意味がない。
そしてこれ以上何をすれば届くのかもわからない。
悔しいを通り越して、もはやどうしていいのかわからなくて
途方に暮れている。

龍が辞めて動員が半分ぐらいになったとツイッターでつぶやいたけど
そこからだんだん盛り返して
AXワンマンも埋めてメメントモリのツアーファイナルのリキッドでは
あと50人でソールドというところまで来た。
けど、4年前くらいからまた急になんの前触れもなくドカンと動員が落ち始めた。
みんな仕事で偉くなったり、結婚したり、お母さんになったり
いろんな理由があるんだろうけど
それでも去年のストリームホールのワンマンでは
久々にライブに来てくれた友達が
若い子増えたね~と驚いていたくらい
新しいお客さんも増えている。
それでもこんな悲惨な状態で

正直ここまで動員が落ちていくと思っていなかった。
今が耐え時だよと言われても
どんなに頑張っても状況は悪くなる一方で
最近はイベンターにも匙を投げられつつあって
極め付けは
これは言わんでもいいことだけど
本当にそうなったらどうせわかることだから敢えて書くけど
昨日事務所で
このままだと直球はあと1年持たないと言われた。
直球が終わった時、
俺らはどうするのだろうか。
事務所を畳んで膨大な事務所の備品も処分して
機材車も維持できないから処分して
なんか他に食いぶちを見つけて
週末バンドマンとして細々とLUNKHEADを続けていくのだろうか。
そんなんだったらちょっとデカめのハコで解散ライブして
潔く散っていく方がいいんじゃないか。
どうせそんな状態になったら
全国ツアーもできないだろうし
半分趣味みたいな状態でLUNKHEADを続けていくモチベーションが俺にあるのだろうか。
実は今までも何度かこういうピンチはあった。
その度にみんなで力を合わせて乗り越えてきた。
ただ今回は「よっぽどのミラクルが起こらないと無理」だそうで。
いよいよ来る時が来たか、と。
「それでも、俺らだけでよくここまで頑張ってきたよ」
と、ポツリと悟が言った。

馬から落馬みたいな言い方になっちゃうけど
ここまでなんとか頑張って続いてこれたのは
続けていける条件があったからで
続けていける条件がなくなってしまったらそれはもう
どんなに頑張っても続けていくことはできない。
精神論じゃどうにもならない。

だからなんとかこの20周年を使って
LUNKHEADを盛り上げて
最高のアルバムを作って
踏ん張ろうと頑張ってきた。
こんな風にバンドが死んでいくのか、と
冗談でもなく、卑屈になっているわけでもなく
ただ目の前の現実として思ってしまった。

30周年、40周年と頑張っていきます。
と前に言ったけど
守れなかったらごめんなさい。

ただ、まだすべてが終わったわけじゃない。
ツアーはまだ5本残ってる。
LIQUIDROOMまであと1ヶ月以上もある。
まだ「よっぽどのミラクル」を起こす時間はある。
それで何かが変わるのかはわからない。
けど、このままタダで死んでいくわけにはいかない。
そんなに俺らの20年は軽くないはずだから。