先週のサイエンスゼロは免疫チェックポイント阻害剤の話題でした。尊敬する本庶先生のインタビューがあって素晴らしかったです。



2年生きることのできなかった転移性メラノーマの2割程度に長期生存が期待できる薬です。
これまでの癌治療薬は腫瘍(および自己正常組織)に攻撃し10-30%にしか効かず、効いていても数年以内に効かなくなり、使える薬がなくなって死亡するという流れでした。今回の薬、PD-1阻害薬のターゲットは腫瘍ではなく腫瘍を攻撃するリンパ球のブロックを外して腫瘍攻撃能力を復活させるというもの。


肺癌は先にアメリカにおいて扁平上皮癌に承認されましたが、日本でも年内に使用できそうです。ほとんどクスリの効かなかったタバコ癌、扁平上皮癌にやっと出てきた新薬ですね。

ターゲットが自己のリンパ球ですので、その他全ての悪性腫瘍に効果がある可能性があり、すでにたくさんの臨床試験が進んでいます。肺腺癌、小細胞癌でも効果が確認されており、承認されていくでしょう。



自己免疫疾患の副作用が報告されていますが、これは他の分子標的薬と同等と思われます。私が懸念しているのはむしろ長期生存した時に他の癌が発生することでしょうか。2年生きられない人に10年後発生した他臓器の癌、取り扱いが難しいですね。



イレッサ以来15年ぶりに出てきた夢のクスリ候補。お値段はお高くて一年間で1500万円程度です。そのほとんどが国の負担になるとすると、日本の医療制度もいよいよですね。