母が病室に入った後すぐに仕事終わりの兄が到着した。
そして、17時以降からの次の担当医が挨拶に来た
兄は母に会えていない
一か八かでお願いしてみよう
『すいません、今兄が到着しました。長男です。母に合わせてください。』
少し困り顔で
『こんな状態でもありますし、気持ちに寄り添いたいとは思います。少々お待ちください』と誰かと検討しに行った様子
少しして、看護師が来た
『お一人づつで、部屋の中には入らずお母様が見える位置までならどうぞ』
『話すことはできないんですか?』
『その位置から話せるなら…』
まずは兄が病室へ向かった
後ろからどんな様子かみたら
部屋のドアの前で立ち話し的な感じで話していた
私もまた病室の方へ行かせてもらった
部屋の前に着いた
『ときちゃん!コロナのせいでここまでしかあかんねんてがんばろなぁ』
うんうんと頷くは母。
母との距離、3メートルぐらい?
私は気にせず話しかけた。
が母が返事がしんどそうだったので、
ジェスチャーに切り替えた
『ときちゃん!👍』
そうすると、ときちゃんもゆっくりと
『👍』
これを2回ほど繰り返した
沈黙の間、2人でニヤニヤしながら見つめ合った
看護師から早くしてのオーラがでていたが
ごめんなさい。
無視します。
『ときちゃん、テレビカード2枚買ってあるからテレビつけっぱなしにしときな1人部屋やから寂しいやろイヤフォンもつけんでいいし楽にしいやぁ』
『うんうん』
最後は私たちが普段やってるあいさつ
拳を突き出して
『体調!!!👊』
ときちゃんも
『👊』た拳を向けてくれた
母との面会が終わると再度、担当医がきて
廊下で再度、話が始まりかけたとき兄が
『ここで話すん?ときちゃんに聞こえるで?』
も場所を移動して話す事にした
さっき聞いた同じ話しをした
そのうち、その担当医が言った
『実は僕の父も小細胞肺がんでした。だから思い入れはありますし、急激な変化で驚いてらっしゃる気持ちもわかります。』
なんだか、すごく頼もしくなった
小細胞肺がん患者を身近に感じた人が担当医?!
『先生、お母さんが居なくなったら無理なんで、お願いします』
どんな、言葉やねんって感じやけど
もう思いつく言葉なんでも伝えた
『とりあえずは今は浮腫が取れて次の段階に行ける事を目標にしましょう』
そう言って、話が終わった。
部屋からでたら母の妹がいた。
私の娘と、甥っ子も一緒に来たが
1人しか上がれないと言われたらしい
すぐに、警備室の元へ降りて事情を話したら
病棟と連携をとってくれて娘と甥っ子も特別にオッケーしてもらえた
無事に面会を終え帰りの車内
なななななんと、ときちゃんからLINEがきた
誤字はあるが意味はわかる😁
おトイレに一人で行くのは危ないから
カテーテルを入れたみたい💡
そして、直接言いそびれた言葉をLINEで送った
ははもw
照れてるやん
この後もすぐ、返事いれたけど
既読が付かなくなった…
その夜、病院から電話が鳴った
心臓がドキッとした
医『病状に変わりはないのですが、お母様が意識が朦朧としながらゴゾゴゾしたりしだしたので、身体抑制と言って本人さんが無意識に歩こうとしたり無理に点滴を抜こうとすると危険なので、手袋をしたりモニターを付けさせていただくのに許可を得ないといけないのでお電話させていただきました』
私『ん?てことは、母の意識が朦朧としてるってことですか??』
医『はい、ただその身体抑制をする可能性があるということです』
私『わかりました』
医『何か変化ございましたらまたご連絡させていただきます』
私『はい、よろしくお願いします』
この日の夜は、兄の家でみんなで寝ることにした
が、不安と冷静さを行ったり来たりして
結局1時間程だけしか眠れなかった
いつ病院から電話がくるのかとヒヤヒヤしながら
携帯を握り占めていた。