TSUTAYAでふと目があって借りた子。

ノルウェーの作品かもしれないけど舞台の半分以上パリで、ネイティブじゃないフランス語も英語もとても聞き取りやすい。

ネタバレだけど…

パイロットの夫と険悪離婚した長身美貌の北欧理系美女が花の都パリでのんびりした園芸家の冴えない小男と出会ってなんとなく付き合ってたら実は隣接分野の教授で人生の痛みも抱えていて、すっかり魂の半身を得た感じで、エッフェル塔を臨むアパルトマンの猫足浴槽でコメディタッチなセクシャルシーンでハッピーエンド。

タイトルは、亡くなったお父様の遺灰を計った重さ。

浴槽で挿入して膣で長さ測ってるって…一歩間違えたら男は萎えるよね。
離婚に至った道筋も見えてくるような…
まあ家具を全部持ち去る勢いのクズ夫だったみたいだし、直接の理由は向こうの不貞かもだけど。

とりあえず絶世の美女とまでいかなくてもこれだけの金髪美女だったら恋愛もののヒロインは納得。
知性派を好むかどうかは男の趣味にもよるだろうけど…

たとえ白痴系が好きでも、手の届くところに美女がいたら、スペック自信あったらそっち行くよね。

でも恋愛と結婚は別だから…
杓子定規な女と合わない男は一緒に生活なんてできないだろうなあ…

これは似た者同士でも同じことがありうるので、一概にどういう組み合わせならうまく行くかとは言えない。
まさに男女に限らず人との相性はものすごい確率と現在進行形の確率変動を伴う奇跡としか呼べないものである(笑)


ちなみにこれを観た理由は
お父さんの最後の言葉

「人生の最大の重荷は、
背負うものがないこと」

これに惹かれたから。

確かに一理ある。

サラリーマンが結婚した方がいいのは
養う家族でもいなかったら馬鹿馬鹿しくて
会社のために人生捧げられないから。
実のところ、資本主義社会は中流以下が余暇を楽しめるようなシステムになってない。
かなり稼ぐサラリーマンでも、実はある一定の交遊関係に収まっていて、流動性はない。
誰でも好きなところに住んで好きな仕事ができて好きな人と結婚して好きなところで生んで好きなことさせて…なんてことはまったく不可能。

明文化されていないだけで、きっちり線は引かれてるんだよね。
上に行けば行くほどそう思う機会が増える。

お金がなかったら(あるいは財布がなかったら)
毎月パリに行って話題のレストランのいい席でお食事なんかできないでしょう。

私はどちらかというとそれよりもガルニエでキャスト制覇したいけど、どっちにしてもカネコネないと難しい(もちろんできなくはないけど、毎月そんなことしてたら破産するから相当ほかに皺寄せが行くだろう)





考えれば考えるほど、私に必要なのはお金なんだよなあ…
バレエなんか観なくても死なないって?
まあそうだけど。
バレエじゃなくてもいいけど、何か美しいと思うものがあって、再現性が低くて、その場にいないと味わえない類いのものを好ましく思う人はどうすればいいのかねー?


お金持ちになる
財布を手に入れる
代替品で我慢する
スパッと我慢する
別の趣味を持つ


…なんかなー
別にテレビだっていいし、日本公演だってあるけどさ。
やっぱりパリで、ガルニエで観るからいいんだよなあ…


いやバレエじゃなくてもいいけど。

歌舞伎だって毎月観てたら年間20万は超えるわけで。
え?天井席でいいじゃないかって?
見えないじゃん(笑)

見づらいよ。

だから安いんだけど。

それに、初日楽と中日辺りで観るとしたら、毎回同じ着物というわけに行かないし、少なくとも帯が3本は要る訳で。
長着は毎年少しずつ新調していくとしても、歌舞伎座のそれなりの席に着物で通うこと自体が普通のサラリーマン家庭では負担だよなあ…


お金を気にしながら観るのもなんだし、どうみても百万単位の着物や帯を見掛けると虚しくなるから最近は足が遠退くばかりなり。

宝塚だって毎月あるし、都心の劇場では常に興行があって、それなりに装いをこらしてお付き合いの飲食もしてたら、毎月いくらあっても足りない気がする。
上には上があるとしても、二日に一回観劇と外食だけで考えても20万は吹っ飛ぶ。

これにクラシックのコンサートだの落語だのまで加わったら本当に普通の人には無理。
でも、そういうお忙しい奥さまがたーくさんいる!(笑)

もう笑うしかないんだけど、極論すると生まれがいいだけなんだよね。
ご先祖さまが頑張ったぶん子孫が得するのってどこまで正当性があるんだろうっていつも思う。
これが歴史上の人物とかそうそうたる名家ならまだ納得できるけど、単に親が土地成金とか親が東大出て官僚になったとかのショートカットな現代風のご出世をされただけのご令嬢だと、完全に政略結婚でもほぼ確実に幸せになってるんだよね…まあ親が死んで七光りとか遺産とか全部終わったらどうなるのかわかんないけど、社会的地位がある人はなかなか離婚しないのはホント。ここはアメリカとかヨーロッパと違うとこかもね。


話がずれまくり。

いつになったら私はこのこじらせた上昇嗜好、もとい思考?志向?を卒業できるんだろう?

永遠に無理な気がする。
平凡なサラリーマンと結婚して先の見えた老後のためにいろいろ我慢とかしたくないし。

とことん親にパラサイトさせてもらって、好きなことして生きて、親が死んだら私もさよーならしたいな。

いや、親が死んだらしばらく遺産で、遺産が尽きたら借金できるだけしてぱーっと使ってから自己破産したいな。免責されるような正当な浪費ってなんなんだろう?詐欺にでも遭えばいいのかねー?