百人一首を覚えましょう 96、花さそふ~ | うさぎのしっぽ 猫のあしあと

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乱世のなかで比較的恵まれた人生だった人の、唯一の恐れたものは「老い」でした…。



花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり          入道前太政大臣





名前がさっぱりわからない作者名になっていますが(苦笑)、藤原公経という人の歌です。



雪と詠まれているので、冬?と一瞬思いそうですが、全然・・・花吹雪を表しているので、



ちょっと時節的には、今の歌では全然ないですけどね。あせる



「花さそふ」 花は桜のこと、桜の花を誘う。



「嵐の庭の」は嵐の吹く庭の、という意味。吹くというのを省略したんですね。



「雪ならで」 雪ではなくて。ここでは、嵐によって庭に散る花吹雪を雪に例えています。



「ふりゆく」 ふる、というのが雪が降るのと、年が「旧る(ふる)」のを掛けています。



桜の花を誘って散らす、嵐が吹く庭で、ふりゆくのは風に舞う花吹雪ではなくて、老いていく私自身であることだよ・・・。



というような意味になります。



この藤原公経という人は、源頼朝と親しくしていたので、最初承久の乱の頃には監禁されたりしたらしいんですが、



結局鎌倉幕府が開かれて、後鳥羽院側が負けたので、乱世の中にあって権力を手にした人なんですね。



出家してからもずーっと権力を手にし続けていた人らしく、人一倍固執するタイプだったのかなと。



それだけに、唯一恐れたのが自分の「老い」だったんでしょうね。



う~ん・・・誰かに似ているなあ・・・。



道長の影がちょっとだけちらつきますが・・・権力って、手にすると離せなくなるんですかね。



でも歌人としてもなかなかだったようで、勅撰集には百首を越える歌が選ばれています。



権力者=芸術的な感性は乏しい、というようなイメージは、この時代にはあまりないんですかね。


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何の関係もないんですが・・・。


なんとなく、この時期に桜の写真を貼るのもどうなんだ…と思ったので、


年旧る・・・黄昏・・・夕暮れ、ということで、京都の夕暮れ時の写真を再アップしてみました・・・。