児童書、というジャンルがあります。
子供向けの本ということだけれど、子供のために書かれた小説って奥の深い作品が沢山あります。
そして、小さい頃に読んでもらった本が大人になってもずーっと印象に残って、忘れられない作品というのも沢山あると思います。
私にとって児童書・児童文学・童話というのは、忘れられない作品の宝庫で、本当に物心ついた頃から読んでいて、今でも大好きな作品が沢山あります。
中でも代表格なのが宮沢賢治の童話と、松谷みよ子のモモちゃんとアカネちゃんのシリーズ![]()
宮沢賢治は小学生になってから本格的に読み始めたので、少し始まりは遅いのですが、モモちゃんとアカネちゃんは幼稚園入るか入らないかくらいのときから、母に読んでもらった記憶が薄らあります。
その頃は、全体的な流れや奥深い表現などはよくわからず、ただ日常にありそうな風景にちょっとしたメルヘンがたされた絶妙な世界に惹かれて、毎日読んで読んでと頼んでいただけだったと思います。
で、少し大きくなってから自分で読み始めて、これは凄い作品だ
と改めて思ったわけです。
何せ、子供の本なのに死神が出てくるわ、離婚の話は出てくるわ
、決して明るいばかりじゃないんです。
例えば、お父さんが返ってきたと思って玄関へ行ってみたら、お父さんの靴だけ帰ってきていたり
、疲れたお母さんが森のおばあさんに会いにいくと、お母さんの木とお父さんの木は一緒に植えていると元気がなくて、けど別々の鉢に植え替えてあげたらしゃんとして元気になって・・・そしてお父さんの木は歩き出した
…とか。
ちょっと不思議な表現ではあるけど、生きていくうえでの難しいこと、悲しいこと、困ったこと等から目をそらさずに描かれている、そんな凄い作品です。
このモモちゃんとアカネちゃんのシリーズでとても印象的で、大好きなのが「おいしいものの好きなくまさん」![]()
文字通りくまさんなんです、森に住んでる。
でもとても優しくてたよりになるくまさんで、お母さんが仕事に行っている間、ちいさなアカネちゃんの面倒を見てくれたり、たくさん美味しいものをつくってくれたり
・・・本当に素敵なくまさんです![]()
どうやら作者の周りにいた優しい方々から作り上げられた登場人物(熊物?)らしいのですが、本当に魅力的なキャラクターです。
他にも双子の靴下のタッタちゃんとタアタちゃんだったり
、猫のプーだったり
、一度読んだら忘れられないキャラクターが沢山で、とても魅力的な作品です。
少しほろ苦くて、ちょっと切ないお話も沢山ありますけど、全体にやさしい温かい作品です。
子どもに読んで聞かせてあげるような表現になっていますけど、是非子どもと一緒に大人にも読んでもらいたいなと思います![]()