まず、「OPAC」という言葉。
正式名称を言えなくても問題はないでしょう、図書館に携わっている人が言えないのはアレかもしれませんが。
でも、現実的にこの言葉は浸透しているのだろうか?
普段の業務では「OPAC」という言葉では、利用者の方には説明をしていない。
「館内にある端末」「インターネットでの検索」など、それくらいである。
個人的には「OPAC」という単語を使って説明をする必要は、まったくないと思っている。
馴染みのない言葉であるし、何より、図書館を利用する人が図書館に精通している必要はないのだから。
細かく言えば書棚の説明のときに「これは○○の書架にあります」というものあるけれど、それは今はいいとして・・・
そして、心臓部の検索について。
必ずしも、OPAC(オンライン蔵書目録)という概念に縛られなくてもいいのではないだろうか?という考えがある。
なにせ、検索結果が「該当資料は見つかりませんでした」では、まったくニーズを満たしていないのだから。
システムについては、GoogleやYahooのような検索エンジンのプログラムに似たものがあれば一番いいんじゃないかと思う。
Googleの「もしかして」検索とか、単語に対しての「候補」検索とか、かなり有用な検索にならないだろうか?
たとえば・・・
「本の名前がちょっとあやふやなんだけど・・・」
「作家が誰かわからないんだけどこういう本はないか?」
というレファレンスを受けたことはないでしょうか?
そういったときなど、業務端末、館内OPACで検索したときに「もしかして」や、「候補」といったようにいくつかの単語が出てくれば検索はしやすいはずである。
最近ではカラオケでもタッチパネル式の検索機があり、機種によってはアーティスト検索など、何文字かで「もしかして」検索のようにアーティストが表示されたりするものもある。
きっと、こういったシステムを入れることはそう難しくないはずである。
次世代OPACの可能性--その特徴と導入への課題 情報管理 51(7) [2008.10] / 工藤 絵理子 ; 片岡 真
上記の文献でもありますが、amazonなどで検索をし直すという手間があること自体、危機的な状況な気もするので、これは最重要だと考える。
そして、横断検索などや関連資料へのリンクについて。
たとえば「夏目漱石」と検索すれば、本人の著書から書評のものまでヒットする。
もちろん一番にヒットして欲しいのは著書の方ですね。
検索エンジンのような検索結果の仕組みであれば、図書館での構成では単行本(文庫)→全集→その他というように設定することはできるのではないだろうか?
もっとも、これは検索エンジンのようなシステムならでは、なのかもしれないけれど。
そして、そのヒットした資料を所蔵していない図書館OPACでは、「他の自治体の公共図書館にあります」などの表示(リンク)を設定し、なおかつ、amazonのようなオンライン書店へのリンクも入れるといいのかもしれない。
その資料を急ぎで欲しい人の場合、他の図書館の紹介だけでは弱いと思うので、書店などでの購入も視野に入れていただくというもの。
これは
RSS(RDF Site Summary)を活用した新たな図書館サービスの展開
/ 林 賢紀 情報管理 Vol. 49 (2006)
こちらの文献の図7のようなイメージである。
いろいろな情報へのアプローチがある中で、RSSのように情報発信し、それを受信した利用者からまた他へ発信というイメージ。
あとは、検索画面の簡略化。
詳細検索をなくす必要はないけれど、最初から詳細検索になる必要性はない。
これに関しては、どのOPACでもすぐに実行できるのではないだろうか。
検索結果の書誌詳細画面も、もっと簡潔にしてみてもいいかと思う。
Web-OPACだと、本の大きさ(高さ)まで表示されたりしていますが、利用する人からすればこれは正直いらない、というか見てる人がいない気がする。
そういった普段本を探す際にはあまり重要でない部分を削り、書影などを反映するなど、詳細画面の簡略化と併せて、どういった本なのかを表せたらいいのではないか?
最後は、以前記事でも書きましたが、子供用の検索画面が欲しい。
子供用の画面があるところもありますが、正直子供視点で作られていないのがパッと見てよくわかる・・・
この二つのOPACで試してみた。
福島県立図書館の方では、検索画面にもっと飾りというか、子供の気を引くような何かが欲しい。
ただ真っ白で、検索窓があるだけなので、大人ですら寂しく思えるのではないだろうか。
茨木市立図書館のOPACのこどもようは、タッチパネルに似ていてこれはいいなと思った。
だけども、講義中でも検索した「モモ」を入れてみると結果が残念なことになった。
これでは、さすがに探せない・・・
例として2つの図書館を挙げましたが、きっと他の図書館でも同じでしょう。
検索は子供がするようには作られていないのが現状だと思います。
だからこそ、子供用の検索画面が欲しい。
むしろ、いっそのこと子供専用の検索システムは独立させてしまっていいと思う。
本を探すのは難しい、というイメージを持たれないためにも、これは重要なんじゃないかと思う。
・・・と、まとめてみると3つの要点でしょうか。
・検索エンジンのようなシステム
・検索画面・書誌詳細画面の簡略化
・子供用(専用)のOPAC設置
そこまで大それたことは言ってないと思うので、実現自体は難しくないんじゃないかと勝手に想像。
以上で、私の課題3については終了です。
一応、これで課題3つこなせた・・・のかな?