アウトロー女子の青春 ~マリア~ | 諸々の昼休み

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長きに渡り、漫画の世界には
「不良漫画」と呼ばれるジャンルが
存在している。いつの時代にも、
根強く支持されるものとして。

現在、その不良漫画界に於ける
トップランナーの一人に、
「井口達也」なる人物がいる。

あざなは「狛江の狂犬」

品川祐(作家名は品川ヒロシ)氏の
作品にも登場する、
実在のケンカ猛者。
そして現在は、
漫画原作者として活躍中。

その井口達也氏が、
異能の不良漫画家・吉沢潤一氏と
タッグを組んで新作をリリースした。

タイトルは「マリア」

女性暴走族、所謂「レディース」を
テーマにした物語です。

そのコミックス第1巻が
今月末に発売されました。

マリアその1
〈「マリア」コミック第1巻表紙〉

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まさか、井口達也と吉沢潤一が
タッグを組むとは…。

その第一報を聞いた時は、
さすがに驚きました。

井口氏が表なら、吉沢氏は裏。

吉沢氏は不良社会の裏面も
しっかりと描く、
リアリズム指向の作家。
そして、そこから
形而上の世界まで思考を
拡げていく方でもある。

この両者、
混ぜ合わさるのだろうか…。

そんな不安が頭をよぎりました。

――――――――――――――――

しかし、作品の連載第1回目を
読んだ時点で、その不安は
吹き飛びました。

そしてある種の拍子抜けも。

そこに描かれていたのは、
ごく普通の、ありふれた
不良少女と不良少年の
物語であったから。

それまでの井口作品のような
自伝的要素はなく、
以前の吉沢作品のような
エキセントリックさもない。

まさしく両作家にとって、
新機軸の世界が描かれて
いたのです。

――――――――――――――――

ここから先は独り言。

コミックス発売を機に、
ここまでの物語を
読み直してみましたが、
やはりこの漫画は
キャラクターが
みずみずしいです。

そして、見事に
「青春状態」を作品内に
封じ込めているのです。

レディース総長「アキラ」が
ケンカの最中、ふと見上げた夜空に
流れ星をみつけ、見入ってしまう。
そして流れ星に
願いごとをしてみたり。

こういう「余白」のような描写、
私は好きです。

そして、
こういう余白のようなものこそが、
青春の証左なんじゃないかな、と
歳をとった今になって
私は思ったりするのです。

ぽっかりと空いてしまった
人生の余白。
そんなムダな時間を過ごせるのが
十代の特権なんだよね。

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〈追記〉
以前にも吉沢潤一氏については
色々書かせていただきました。
参考までに。

[Link]
Anarchy In The AK ~足利アナーキー~
ウルトラヘヴン vs ギャル男 vs 宇宙人