急に歴史の記事を書いてみたくなりました。
私の好きな「エルサレムの和平」、フリードリヒ2世の話です。
今、世界中で起きているイヤな事件の大半は、
イスラム教VSキリスト教
に起因していると言っても過言ではアリマセン。
私を含め、大方の日本人は、
無宗教(というより「宗教を信じる」という概念がはじめから存在しない)なので、
エライ迷惑な話です。
そして、その宗教対立の原点、
いわば対立の「聖地」が、
あのエルサレムです。
両宗教間の戦争やテロは、大半がここに原因があるみたいです。
というか、ここを理由にしてしまうみたいです(泣)。
エルサレムの争い。
頭のイイ人々が、なんとか両者共存の方策を探ってきましたが、
結局、
何をやってもダメみたいです・・・
'''でも、'''
'''今から800年くらい前の中世の時代、'''
'''両者間の無血和平が成立。'''
'''聖地を仲良く共同で統治する時代があったのです。'''
それを実現したのが、
神聖ローマ帝国(いまのドイツ+αですね)のフリードリヒ2世と
イスラム側の王様、アルカミルです(アルカイダではありませんよ!)。
当時。
キリスト教の最高権力者「ローマ教皇」により、
聖地エルサレムを異教徒(イスラム教)から取り戻せ!ということで、
宗教を盾に十字軍が組織されました。、
西欧諸国のキリスト教国家は
イスラム教徒と無益な争いを強制されてきました。
十字軍は何度か組織され、
エルサレムで悲惨な戦争を繰り返しますが、
どうもうまくいきません。
結局、その後の「宗教対立の禍根」を大きくしただけ(泣)。
その「禍根」は、今でも世界の最大の禍根となっているわけです。
これが世界史の受験勉強でもお馴染みの「十字軍」のお話。
でも。
この十字軍騒動の最中、
ローマ教皇の意向を無視して、イスラム教の王と和平を結んだ王様がいました。
これがフリードリヒ2世です。
相手はイスラム側の王様、アルカミル。
フリードリヒ2世という王様は、
異教徒に対して大変寛容な考えを持っていたそうです。
生まれがシチリア島。
子供の時から、イスラム教徒の文化と接することが当たり前の環境で育ったためでしょうか。
一方のアルカミルも、話が分かる人物だったのでしょう。
両者間の長い話し合いの結果。
驚異の和平協定が結ばれました。
アルカミルは、当時、イスラム側が治めていたエルサレム市街を、
キリスト教国家が治めることを了承したのです。
市街にあるイスラムの聖地、岩のドーム、だけはそのままイスラムが統治。
但し、イスラムに敬意を払えば、キリスト教徒がそこに立ち入ることも許可されました。
キリスト教徒の聖地エルサレム奪還。
過去の十字軍がどうしても成し得なかった事を、
フリードリヒ2世は「話し合い」により、無血で実現したのです。
でも、これではアルカミル側の一方的な譲歩です。
彼にも、イスラム社会の中での立場があります。
ここで、フリードリヒは驚くべき条件を出しました。
もし、他のキリスト教国がイスラムを攻めた場合、
フリードリヒは、イスラムの側につき、これと闘う。
それが、たとえローマ教皇であっても。
双方の絶対的な信頼関係の上に成立した「和平」だったわけです。
当時の宗教をめぐる環境を考えれば、
現代以上に、
驚愕の英断だったでしょう。
二人の王様の「英知」と「決断」に、頭が下がります。
私はこの話が大好きです。
でも、お恥ずかしながら、この話を知ったのは最近です(笑)。
NHKの「文明の衝突」という番組で知りました。
(あんまり感動したので、即、DVDに録画)
残念ながら、世界史の教科書には載っていない話です。
受験世界史でも学びません。
でも、世界史そのものを学ばなかった人は、
たとえ、こんな話を後から知っても、何の感銘も受けないでしょう。
残念ですねぇ。
話には、さらに感動?の後日談があります。
和平が成立した後。
フリードリヒ2世は、キリスト教国国王として
初めてエルサレム市街に入ります。
そこでキリスト教の聖地を巡礼します。
そして、イスラムの聖地、岩のドームにも訪れたのです。
今でもそうですが、
イスラムにはアザーンと呼ばれる大音響のお祈りが付き物。
このお祈り、
イスラムの教えを守らないと殺さちゃうよ~、
と言っているのですよね(笑)。
さすがに、キリスト教の王様に対して失礼です。
おまけに、フリードリヒ2世はアラビア語が理解できたのです。
彼がイスラムのドームを訪れた時、
イスラムの人々は、このアザーンを自主的にやめました。
でも、
彼はそれを良しとはしませんでした。
「私は、いつもと変わらぬイスラムの聖地を訪れたかっただけだ」と。
'''すると、いつものようにアザーンが鳴り響きだし、'''
'''キリスト教の王様はその中で静かに頭を下げたそうです。'''
なんか、出来すぎの話のような気もしますが(笑)、
世界史から学ぶ「人間の知恵」として、
もっと多くの人が知っていてもいいのではないかと思います。
「大河ドラマ」にしてください。
「世界文化遺産」に登録してください。
ダメ?
さらに、後日談。
この人類の英知を発揮した「奇跡の和平」ですが、
悲しいかな、それほど長続きはしませんでした。
フリードリヒ2世の英断は、
ローマ教皇の逆鱗に触れます。
異教徒と交わるもの、
として破門されてしまいます。
その後、彼は死ぬまで教皇と戦うことになります。
一方、アルカミル。
彼の英知も、残念ながら彼の周囲には受け入れられなかったみたいです。
彼の死後、王朝は崩壊。
新王朝は和平条約を継承しませんでした。
その後、800年、現代に至るまで、
当時の二人の王様のような英断を下せる人物は、
残念ながら、この世に現れていません(泣)。
ローマ教皇さんは数年前、
さすがに当時の十字軍は悪かった、
とやっと詫びを入れたそうです。
イスラムの人々は、どう思ったのかなぁ。
もっとも、フリードリヒ2世は、未だに破門されたままらしいですけど。
200年ほど前に、
シチリア島にあるフリードリヒ2世の墓が、
調査されたことがあるそうです。
墓の中には、
イスラムの法衣を身に纏った彼の姿がありました。
そして石棺には、
アルカミルを友と呼ぶ言葉が、アラビア語で書かれていたそうです。
感動しました。
ちょっと、シチリア島に行ってみたくなりました。
あそこには、ジェットコースターのような鉄道があるそうです・・・(笑)。
美しい線路に感動する私ですが、
美しい歴史にも感動してしまいます。
やっぱり、歴史は必須科目でしょ?(笑)