アルピニスト野口健さんが月刊紙 #やすくに”に寄せた文章から:-

①昨年、「男たちの大和」という映画を渋谷で見た。死を目前にした若い水兵さんたちが、何故に自分は死ななければならないのかを自問自答する。・・・様々な葛藤の果てに・・・死場所を得たと、・・・強引に航海に出る。

ーーー戦艦大和には片道の燃料しか積まずに・・・・・・・

②平成9年 初めてのエヴェレスト挑戦の際に驚いた。・・・ベースキャンプのいたるところに散乱していたゴミだった。  ・・・・様々な国のゴミがあったが、日本のゴミも多かった。 外国人登山家にも侮蔑され、・・・・私は、エヴェレストでの清掃を開始したのだ。 ③エヴェレストでの清掃活動は平成12年から15年にかけ四年間行った。  8000Mの世界での清掃は危険きわまりないものだった。 よく「ヘリコプターでゴミを回収すれば安全だろう」と指摘されることがあつたが、(高度を考えてものをいえ・・私の言葉=) 人間が回収しないかぎりゴミはなくならない。 結果として三人ものシェルパの犠牲者を出し、彼自身も入退院の繰り返しだった。

4) 意義のある活動といっても命あってのもの・・・・二度とヒマヤラには戻らないと。・・・ 

   2年間 講演だシンポジュームだの。海にもぐったり、旅に出たりもした。・・・平和な日本で過ごしていると罪悪感や後ろめたさを感じられずにはいられなかった。---今頃 仲間たちがヒマラヤで死闘を繰り広げているだろうと、彼らの姿をつい想像してしまう。