□□恋泊□□

   なんとロマンチックな地名だろう。  恋泊という場がある。

「この日彼島の恋泊という村の人、藤兵衛という百姓 也。 炭焼き料に 松下という所にゆきて木を刈るに、うしろのかたじして、人の声したりけるをかへり見るに、刀帯たるものの、手して招く一人あり。

其いふ所のことばも、聞わかつべからず。水をこふさまをしければ、器に水汲みてさしをく。ちかずき呑て、又まねきしかど、その人、刀を帯びたれば、おそれて近ずかず。・・・・・」

「其たけ高きこと、六尺にははるかに過ぬべし。 普通の人は、其肩にも及ばず、頭かぶろにして、髪黒く、眼ふかく、鼻高し。 身には茶褐色なる袖細の綿入れし、我が国の紬の服せり。・・・・・」

  宝永五年十一月に。最後の潜入者として薩摩の一海島ー屋久島に ヨワン・シロウテー当時41歳のイタリア生まれの宣教師ジュアン・シドチが島原の乱去って71年。  布教のため来日した記を ”西洋紀聞”に新井白石は著している。   ・・・・・イタリアねえ・・・・・・・