キャラクターを作る前に、どんな人間を書きたいのかを考えた
小説を書こうと思った。
しかし、どんな登場人物を存在させるのかを決めていなかった。
そもそも私は、どんな人間を書きたいのだろう。
そのことを考えるきっかけになったのは、YouTubeで流れてきた海外制作らしきショートアニメだった。
主人公は理不尽な目に遭っていた。
しかし、その状況を改善できそうな情報を持っているのに何も言わない。
身分を明かせば状況が変わるかもしれない。
説明すれば誤解が解けるかもしれない。
それなのに主人公は黙り続ける。
私はその展開に強い違和感を覚えた。
そこで、自分の好きな作品を振り返ってみた。
私はテンプレが嫌いなのではない。
テンプレを成立させるために登場人物が不自然な行動を取る作品が嫌いなのだ。
主人公が説明しない。
周囲が話を聞かない。
誤解を放置する。
主人公を持ち上げるために周囲が馬鹿になる。
そういう展開が苦手だった。
では、逆に私はどんな主人公が好きなのだろう。
考えてみると、共通点があった。
好きなものには一直線。
筋が通っている。
隠し事をしない。
問題から逃げない。
やれやれ系ではない。
そして、自分の行動に責任を持つ。
私はどうやら、強い主人公が好きなのではない。
誠実な主人公が好きらしい。
だから今回の作品では、主人公に特殊能力を与えないことにした。
主人公を持ち上げるために周囲の知能を下げることもしない。
主人公は誰よりも優秀な人間ではない。
ただ、人の話を聞こうとする人間にしたい。
人の話を聞く。
確認する。
誤解を解こうとする。
それでも解決しない問題と向き合う。
そんな主人公を書いてみたいと思った。