埋もれるほどの花畑で、次々に根を引っこ抜いては投げ捨てる──
ちぎれ飛ぶ花びらを被りながら背を越す花茎を折っては、また放り投げる──
なんて、ゼ イ タ ク・・・
そんな言葉なんぞずうっと無縁な貧乏たれ山姥は、サディスティックに思います
惜しみなく盛りの花を無残に扱えるって、モノスゴい贅沢と
そうしてこうしたシーンは本来は、妙齢の美女にこそお似合いなんだろうなと
満開の花ばかりかサヤまでふくらませてたトウ立ち大根を、とうとう処分しました
マストレーから年末間近に移し植えたため、根はどれもひねこび放題でした
喰えたもんじゃなかろう硬さで、中にはスが入ってたものもありましたね
一週間足らずで六月 なのに夏野菜は買い置きなままヘタレだし、待ったなし
それでもう決心したんです いつまでもこんな五月を引きずってんじゃないと
空師さんロスでウジウジしっぱなしな自分ごと、いい加減ほかしちゃえと
新たな季節よ、来るなら来いや!
なんて、羅刹(人をまどわし喰らう魔物)に喧嘩吹っかける勢いでね
そしたら大根花に目を取られ気づかないでいたけど、キーウィも咲いてました
思いがけなかった… これ、数年前に買って鉢のままにしてたやつだから
発芽をあきらめてたピーナツも、双葉になってました
葉大根に遅れて開花した根大根は紅色をにじませ、
なんだかわからなくなってた球根のアリウムも、こんなに
やはり品種不明となってたクレマチスまで咲いてた・・・
柿若葉がさらにつやめくだろう六月をこそ、想うことにします
過ぎ去った日にとらわれてしか暮らせないほど、私の残り時間は多くない
無情に抜き捨てた大根花のしおれようにも、目をそらすことにします
土に還れと祈りながら、繊細なレース様の人参花に感嘆しだすんだ・・・
ところでキーウィは雄花で、今年は受粉させようもないのね
雌木がボロロプレハブ2階の屋根まで達しかけてるけど、着花はないから
抜き捨てた大根代わりに植える夏野菜も、
実は日照不足畑なこととて今夏の収穫は大して望めるわけがない
こんなで、2024年は現状維持だけでもう精一杯──
けどもリハビリ一筋年と覚悟したのだから、こんな現況でもましには違いない
明日こそはシシトウから植えたいものの、筋肉痛は毎夜のこと
再び膝の炎症も起きかけてるんですが、今のところマッサージでなだめ中
それでもなんとか、これまでの憂愁からは遠のけるはず
植物たちの生命力に支えられちゃあ、奮起しないわけにいかないものね