約束の今日 海月山に、空師さんの娘さん&息子さんがいらした

三人でお弁当を広げながら、空師さんを偲んだ

逝かれる数日前まで状況を気にしてらしたという、この荒れ山でだ

 

どんなにか視回りたかったろうと、娘さんはおっしゃってた

 

 

そうよね、彼の助けが絶えてからのすさまじい原野化に、もう海もろくに見えやしない

 

でも娘さんは、空気の清々しさだけ何度も讃えてくださるのみ

 

だからかえって泣けてしかたなかった

空師さんの容態に気落ちと称しグウタラこいてただけの、山姥は

昔は、誰かが亡くなった家の周りは鴉が群がり鳴き交わしてたものだ

が現代は通常なら、人は病院で亡くなるので稀有だろうけど

 

 

そんな情景ごと私は、傍らの御二人をよそに我が生い立ちを振り返る──

そして自分はどんなさまに死にゆくのだろうとも────

この山の管理はおろか開拓戦友として頼りきってた空師さんなき、今後を

かなうなら、安らかな野垂れ死にをと願う

 

あらがえない肉体の老化、気力の衰えに、再び海月山の再生どころではとも……

 

 

なのに、なぜかしら失くしきれない活力のようなものを身の内に覚えもする

あの十代の初めの、思春期にさしかかったころの得体のしれない怒りを

…たぶん、クソ喰らえな世間、何より非力な自分に気づき、苛立ちだしてる

自分というよるべなさ、頼りなさという自意識が芽生えだしたころの──

 

私からも奪った空師さんに闘病の激痛まで与えた、現実という容赦なさを

 

 

 

──それで聴きだしてます↓ 13,14歳の唇噛みしめてる少年の声と思いながら

今一人で 今一人で あの日に戻りたい

眠るよりも眠るよりも 追い続けたい

 

昨日よりも昨日よりも いつかを信じたい

コバルトへと消えていくよ 真夜中のブルー

 

君がいる都会(まち)を背中に 東へと今向かっていく

捨てるのは愛ではなくて 終わってた夢の破片(かけら)

 

守るよりも最後まで 走りながら生きる

 

向かい風に変わっていく 夜明けのyesterday

笑顔だけで埋もれるには まだ早過ぎる

 

シリウスも消えた夜空に 吸いこまれカーブを切るよ

目の前をふさぐ霧さえ この胸を喜ばせる

 

君を今も愛してる それは嘘じゃない

 

向かい風に変わっていく 夜明けのyesterday

思い出して楽しむには まだ早すぎる

 

今一人で今一人で あの日に戻りたい

眠るよりも眠るよりも 追い続けたい

 

昨日よりも昨日よりも いつかを信じたい

コバルトへと消えてゆくよ 真夜中のブルー

             

空師さんは、病いの痛みに歯を食い縛って堪えてられたそうだ

ジジイのくせしてどっか少年じみてたから…、運命にムキになり?

 

だからなのかな、かえって末期は実にやすらかなお顔だったという・・・

頑固者の意地で最後まで、自分をつらぬきとおしなすって

 

 

 

さあ ヘタレババアよ、それ聞いたお前はこれからどおすんだ⁉

自然界に存在せず交配でも作出できない青い薔薇は開発されるまで、

花言葉が、世に存在しない不可能夢の花だったそうな

それが開発に成功、夢かなう奇跡神の祝福となったとか

が、不可能を可能にできるという世紀に生きながらも、やはり生は生半ぱじゃない

  

空師さんが転院をくり返してた昨夏、山の手入れどころか自己管理までほかしてた

いやいやそれ以前から、救急車で運ばれたとお聞きした時から、

私はヤバヤバババアまっしぐらになりだしてた

それでブログもほったらかしきりに・・・

 

でも青薔薇がなかった時代にも、果敢に不可能へと挑戦し続けた人々はいたという

     

ならば、私は今後どーすんだ? 天から空師さんの詰問が聞こえたかの今日

空師さんの御遺児、御二人にも申しわけがつかず、私はうなだれたのみ

    

で無言ではありましたが私、全山の手入れは脚悪でちと無理なのと、

今ある薔薇だけでもまともに咲かせられないくらいでして、としらばくれた風

 

 

 

 

そんなだった今日の2年前記事は、薔薇に言及しておりましたわ

んで、かつての今日もまた…やっぱりおざなりに生きてましたっけ