マルティン・ガルシア・ガルシア、オペラシティでのオールショパンプログラム。
実は正直なところ、そこまで期待しないで、リサイタルに行きました。
ブログでは褒めてきたけれどね。
お知らせが来たから、3位だし行ってみようか…って感じで
ショパコンでの演奏はミスもあったし、前回優勝のチョ・ソンジンやアムランに比べると、完成度が低いと思っていたので。
何を基準に評価していたのかアスランには分かりませんでしたが、彼より上手い人はいたのに…なんて。
でも、ガルシアみたいなピアニストって他にはいないと思うし、何より聴いていて幸せな気持ちになれた。
彼は愛されキャラですよね。
ショパコンでオケのコンマスの方も、他のコンテスタントには見せない表情を見せていて。
握手する時も子供同士みたいで、観ていて微笑ましかった
コンマスのガルシアへの愛を感じました♡
リサイタルは、ほぼ定刻に始まったと思います。
勿論、満席でした。
もったいぶる事なくガルシア登場で、気持ちを集中して演奏へ。
コンクールの時より、痩せましたね。
ピアノは、ショパコンと同じファツィオリ
丁度、音が一番良く聴こえる真ん中の席に、ファツィオリのアレックさんの姿も見えました。
西に東に、お疲れ様です。
プログラムは
一部
4つのワルツ
第14番 ホ短調 Op.posth
第3番 イ短調 Op.34-2
第2番 変イ長調 Op.34-1
第7番 嬰ハ単調 Op.64-2
ノクターン 第16番 変ホ長調 Op.55-2
スケルツォ 第2番 変ロ単調 Op.31
即興曲 第3番 変ト長調 Op.51
前奏曲 嬰ハ単調 Op.45
ポロネーズ 第6番 変イ長調 Op.53「英雄」
二部
3つのマズルカ Op.50
ト長調、変イ長調、嬰ハ短調
24の前奏曲 Op.28より
第17番/第19番/第23番
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58
Ⅰ アレグロ・マエストーソ
Ⅱ スケルツォ モルト・ヴィヴァーチェ
Ⅲ ラルゴ
Ⅳ フィナーレ プレスト・マ・ノン・タント
後方の席で、ステージからは大分遠く。
隣に80代のカップルが座っていて、おじいちゃんの杖が邪魔だったので、座る時に失礼しますと声をかけたら、ご丁寧に挨拶返されました。
このおじいちゃん、おばあちゃんがクラシックファンだから、連れて来てあげたみたい。
クラシックコンサートは初めてみたいで、オペラグラスでステージを観ているおばあちゃんに見える?って、何回か声をかけ。
演奏中なので、おばあちゃんに叩かれていました
その後、拍手でのフライングも乗り越え、大人しくなったおじいちゃん。
休憩時間に「奥様、もっとこっちに座って下さい」と言われましたが、通路側に乗り出して「オペラグラスでガルシア鑑賞しているので、大丈夫ですよ」と。
因みに、奥様な年代ですが、奥様じゃないんですけれど
普通なら、今日はハズレの席だな…と思いますが、おじいちゃん可愛いから和む(笑)
それより気になったのが、年配の着飾ったおばさん集団で、こちらもアンコールの時、喋る、喋る!
パンフレットがさごそするし、やはりもう少しブームが落ち着いてからコンサートに行くべきだったのか…。
クラシックに馴染みない人が、かなり来ておりました。
で、肝心のガルシアはどうしたの?
はい、アスラン、ビックリでした
彼は…こんなに上手かったんだ!!!
大きな身体とは反対に、なんて繊細な感性とテクニック。
もっと激しい演奏するのかと思っていたけれど、柔らかい音色なのね。
ピアノは小学生でやめたので、細かい説明は出来ませんが、絵画の様な音楽なのですよ。
油絵ではなく、水彩画!
枠がなくて、水の波紋みたいに拡がり、混じりあって変化して行く音達。
彼はね、ショパンより、他の曲が素晴らし過ぎた!
アンコール6曲も弾いてくれましたが、もっと聴いていたかった。
空気感のある音色で、聴いていてもすっと身体に浸透していくから、いくらでも聴けてしまう。
本人が何より、楽しんで弾いているから、そんな気持ちも客席に伝わりますね。
ピアノ演奏、ガルシア。
ハミング、ガルシア。
でしたから
ハミングしながらの演奏、賛否両論あるとは思いますが、アスラン的には良かった!
後ろの席でも、良く聴こえてきました。
やっぱり、生で聴かないと、その人の本当の実力、魅力は分かりませんね。
ショパコンの時は熱い人って思ったけれど、水をイメージする演奏をする人だったなんて。
曲の背景も深く理解し、それを自分のキャンバスに自分の色付けで描いて行く
日本人には、この表現は無理な気がしました。
完成度が低い?とんでもなかった!
上手いピアニストはいるけれど、そっか…これが芸術性が高いって事なんだ←今更?
芸術劇場のチケットはあげたので、満席で演奏も素晴らしかったと、コンサート終了後に写真が送られて来ました。
2000円でこの席で、ガルシア演奏のコンチェルト2曲とアンコール2曲。
良いよね〜♪
多分、今後、この値段で彼のチケットは取れないでしょう。
アスランも行きたかった気もしましたが、楽しめたみたいで良かった
11月のリサイタルは、まだショパン弾くのよね?
もう少ししてから、行こうかな。
あと、席は重要ですね。
やっぱり、いつものステージ裏手や、ステージ真横の二階席の方が、集中して演奏聴ける。
本人の様子も良く分かるし。
後方の席は、観客の発する音も皆んな拾ってしまい、曲に集中出来ませでした
次回は、古巣へ戻ろう。
安いしね(笑)
帰り道、駅のホームであの熟年カップルを又見かけました。
多分、結婚していないんじゃないかな?
おじいちゃんは杖をつきながらもおばあちゃんをエスコートし、ショールを直してあげていた。
恋する二人なのね
おばあちゃん、年とっても女の子で幸せね♡
電車がやって来て、二人は笑顔で車中に消えて行きました。
余韻の残る、良いリサイタルでした。
皆様も機会があったら是非、ガルシア画伯の描く音の世界をご堪能あれ!
※一部、写真お借りしました。