師走の曇り空なのに、セーターを着ていると暑い日となった館山でした。
おかげで日中に犬たちは庭でのんびり過ごし、夜はまさかの暖房いらずです。
私が借りている畑の果樹園に、裏山と藪から続く小動物の小道ができています。
彼らの本拠地と人間の居住空間が重複するという境界動物(liminal aminal)さんかな。
ハナグマ、ハクビシン、ウサギ、タヌキ、誰だろう。
薩摩芋の収穫前には、地表に出ている一番甘い大きい薩摩芋を齧ったあと
がありました。とても小さい歯の跡を残して行きました。
足跡は判別できませんでした。
収穫後は、蔓に残された小さめの薩摩芋を齧りに来ていたようです。
なお、土の中にも齧られた薩摩芋がありましたが、それは、ミミズを好む
モグラの穴を伝ってきたネズミさんの仕事だそうです。
この小道を作っている主を知りたくて、暗視カメラを入手したくなっています。
彼らの生活を脅かさないように、小さくて感度が良くて音や光を出さない、
安いカメラはあるのだろうか。
境界動物(liminal animal)という言葉は
という書籍から知りました。
この本は、動物の不可侵の権利をもった自己性の根拠を述べ、家畜動物
(犬などの愛護動物を含む)、野生動物、境界動物について、動物の権利
を政治学的な考察を基本に拡張して紐解いています。
実験的な試みを、人間界の事例を含めた根拠とともに具体的に提案して
います。また、すっかり忘れていた主権や初めて知る依存的主体性の概念
などが説明されており、とても興味深く、早く実現してほしいような内容でした。
付箋だらけになったこの本の168ページ目の付箋に私は“犬💛主体性を発揮
するDog”と記入しました。
このページには、人間が犬を「訓練」することはしないで、犬が行為主体性を
発揮する環境にいられる場合の犬たちの能力と選択が、それぞれ大きく異な
るという発見が鮮やかに描かれています。
自由な空間では、動物の個性や主体性が出現する、と。
まさにしつけをしないPONOPONO犬育てと同じで、世界のPONOPONOだと思いました。
例として、犬たちが自由かつ安全に散策できる米国マサチューセッツ州のと
ある街で、必ず道に迷ってしまう方向音痴の犬マリアがとる解決策は、知らな
い人の家の玄関で誰かが気づくまで待ち、名札を見て迎えに来るように同居人
に電話してもらい、迎えに来てもらうこと。
これは、依存的主体の典型的な例です。
マリアはうろつくのが大好きだけど道に迷うので、解決策として、自分の自律を
可能にする重要な役割を担う人間を見つける。
これを主体性のための能力といいます。
マリアは、絶対に道に迷わない友達のミーシャが一緒にいない時に、道に迷って
しまうそうです。私はマリア派です。
詳細な感想文はまた追って。