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「解夏」さだまさしの短編小説。


・・愛しているから別れよう  愛しているから別れない・・


「愛している」といえば、そのしりから不安がよぎるし、「幸せよ」言葉にしたとたん 寂しくなる。死にたいと思えば、生きたいし、生きなきゃとおもえば死にたくなる。


「結夏」「解夏」の意味はまた小説をよんでください。


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本を読んだのも映画を見たのも去年の話です。でも、昨日、ツタヤのCDの投売りがあって、そこで、ふと解夏のサントラCDが売っていたので、買ってきた。その美しい音楽を聴いていると、本を読んだ当時の自分が思い出された。


あの日、私は久しぶりに都市の匂いをかぎながらたくさんの人々にまぎれて、歩いていた。そして、疲れていた。いろいろ大変なことが続き、それに伴う手続きで一人で町にでていた。あちらへこちらへと足を運び、やっと 全てが終わったら、真っ暗になっていた。


「もう こんな時間」


電話を主人に入れると「もう、こんな時間やないか。はよ 帰って来てくれよ」アレがないんだ、義母の病院がしまってしまうじゃないか、などなど、言われた。



結婚して、一人で町へでることなんて十数年なかった。都会へ帰りたかった。いま、一人で都会にいるじゃないか。せっかく帰ってきたけど、また 田舎暮らしへ慌てて帰ろうとする自分が可笑しくなった。だって、夕飯はちゃんと準備してでてきた。家のことも滞りないようにやってきた。自分の遊びのためにでてきたわけではないのに、j自身は食事もとらず、コーヒーも飲まずに遅くなってごめんねと電話する。私がかわいそうだ。


私は何を慌ててるの?


そう思って、突然 目の前の映画館に入ってやった。そして、もうこのまま帰らない事だって有りや。そこで、やっていたのが、「解夏」だった。


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小説と映画の両方がよかった。私はそうおもうことは珍しい。私は本を先に読んでいることが多いので、自分のイメージと離れてしまうと、映画のほうがどうしても、しっくりこなくなる。「解夏」の映像のほうになんの違和感もなかったのは、きっと、本に忠実だったことと、映画が多くを語りすぎていないからだと思う。そして、長崎の映像がとてつもなく美しかった。大沢たかおと石田ゆり子もよかった。音楽もすばらしかった。


主人公の苦悩と自然や音楽のうつくしさ。生きることの光と影が印象派の絵画のようにうつくしく描かれていたと思う。



そして、自分の大切な人と、もっと しっかり向き合ってみよう、そう思って、家路に着いたのだった。