2019年4月19日に、『宇宙はなぜ「暗い」のか?」の著者、津村耕司先生のご許可をいただき、Twitter上で著書の気になる点と先生の解説の疑問点をお伺いしました。

Twitterは文字数制限があり、複雑な質問等を行うのには不向きな点があるため、ツリーが長くならないように津村先生とご相談のうえ「質問の詳細を図にして添付する」方法で「記述の気になる点2点」と「オルバースのパラドックスの回答に関する質問1点」を挙げることとしました。

 

今日、自分の質問をパソコンで見たところ、次の2点で見辛いことがわかったので、こちらにご相談内容参照用の一時保管場所を作ります。

ア)パソコン上で「質問の詳細」図を拡大することが面倒なうえ、その図だけを印刷することができない

イ)質問に関する回答が、ツリーの中で分散されて読み取れなくなる

ご相談が一応終了したら、このページを削除するか、内容を整理して著書へのコメントページにいたします。

 

なお、著作権法に基づく正当な慣行に基づく引用とするため、引用元を明示するとともに、原則として画像で引用することで明瞭に区別をします。

主な引用元:

宇宙はなぜ「暗い」のか? 2017年1月25日初版発行 著者:津村耕司

夜空はなぜ暗い?  2004年11月20日初版第1刷 著者:エドワード・ハリソン 監訳:長沢工

 

じつは、予想以上に長くなってしまいましたので、3つのご相談ごとに分けて登録します。

あと、考察に関係ないと私が考えたコメントは、こちらに記載していません。

 

1.背景限界距離の計算誤りについて

(1)ミントの質問 2019/4/19 22:08

ここでは津村先生のご許可を受け、著書の気になる点を書きます

まずP.158の記述です
「10光年の距離にある恒星」に"以内"を書く提案をする過程で、背景限界距離が違うと思いました
下記資料のP.29以下で計算すると1000垓光年は10垓光年の誤りのようです
https://www.astr.tohoku.ac.jp/~tsumura/Tsumura20170326open.pdf

 

(2)津村先生からのご回答 2019/4/19 22:25

どちらもその通りです。後者については最新の数字を使うとそうなるので、自分も最近の講演では10垓光年を使っています。ただ、1000垓光年にも根拠があって、確かハリソンの本にはこの数字が使われています(手元に本がないのであとで確認します)。自分が本を書いた時にはその値を引用しました。

 

(3)ミント 2019/4/20 19:46

計算誤りについて既にご存じだったのですね

それならなぜ、2019/4/6の解説や著書の案内で訂正していないのですか?
https://twitter.com/tsumura_isas6/status/1114374037537320960

先生の固定ツイートを見て「著書を買う方」に誤った内容を伝えています

テーマの本質に影響する誤りは、放置してはいけないというのが先生の姿勢のはずです

 

(4)津村先生 2019/4/20 19:55

1000垓光年も正しいからです。10垓光年の計算は、全ての星を太陽と仮定していますが、これは単純化しすぎで、恒星の数の算出において数えられている恒星の数は小質量星の数も含まれているからです

 

(5)ミント 2019/4/20 22:32

先生の仰るとおり参考になさった本「夜はなぜ暗い?」にありました
https://twitter.com/tsumura_isas6/status/1119230567378112512
先生の著書と同じ、背景限界距離1000垓光年と太陽面の10兆分の1の明るさの記述があります
この本は1987年出版なので、銀河の数が一桁違います

 

(6)ミント 2019/4/20 22:32

私は津村先生が、著書の出版日の2か月前のハッブル宇宙望遠鏡による個数密度の変化を初版に活かせなかったのだと思っていました
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/8745_galaxies

書籍に書いていない「これまでにない仮定」を付けるのならそう仰って下さい

 

(7)津村先生 2019/4/21 0:55

書籍に書いていない「これまでにない仮定」とはどういう意味でしょうか?この議論は1000垓でも10垓でもどっちでも良いのです。有効数字1けたの必要なく、138億より十分大きいことさえ示せればいいので。なので高校生でもわかる単純化した計算で示す場合は最近は10垓となる計算を示しているだけです。

 

(8)津村先生 2019/4/21 0:57

そしてあなたはそれを今までの学習を元に自力で導き出した、素晴らしい、それだけの話です。でもこの計算は単純化しすぎているので、恒星の質量分布とか他の分布を入れて真面目に計算したら距離はもっと伸びますよ、というそれだけの話です。

 

(9)ミント 2019/4/21 17:01

1000垓と10垓は違います
以前教えて下さった「見通せる距離=背景限界距離÷太陽面輝度に対する明るさの比」を先生の仰る夜空の明るさ(10兆分の1)に10垓光年で適用すると10億光年しか見えないことになります
今見える距離は138億光年なので、これはどこかがおかしいはずです
https://twitter.com/tsumura_isas6/status/1117447688960614402

 

(10)津村先生 2019/4/21 17:03

どういう意味でしょう?見通せる距離=背景限界距離です

 

(11)ミント 2019/4/21 17:02

正直なところ、これほど先生がお言葉を尽くすと思いませんでした 背景限界距離は「参考書籍の発行後に銀河の数の発見があったのを計算し忘れました。初版出版の2か月前にハッブルの大発見があったので」、ディズニーランドにろうそくのところは「確かに分けた方がいいですね」と仰ると期待していました

 

(12)津村先生 2019/4/21 17:08

おっしゃっている意味がわかりません。大発見とは何でしょう?なにと何を分けた方が良いのでしょう?出版二ヶ月前と現在と、ここに書かれている内容に関する人類の知識に大きな変更はないと理解しています

 

(13)ミント 2019/4/22 21:59

ごめんなさい、あとがきの2ヶ月前で初版2017年1月の3ヶ月前でした
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/8745_galaxies
人類の知識にとって銀河の数が大きく変わったことは大きな変更です
原著「夜空はなぜ暗い?」の頃、銀河が1000億個、10光年以内の星が10個と考えると、背景限界距離はだいたい1000垓光年になります

 

(14) ミント 2019/4/22 21:59

私は本当に、津村先生が「銀河の数が変わったのに計算し忘れました(^_^;」とか「私の書いていることは間違っていないけど、素人さんには分けた方が親切ですね」というお返事をくださると信じていたのです

まさかこんなに不思議な展開になるとは思いませんでした

 

(15) 津村先生 2019/4/22 22:55

それは、あなたの理解不足が原因なのに、あたかも著書の内容が間違っているとあなたが主張したからです。

 

(16) 津村先生 2019/4/22 23:01

ハリソンは本当にそんな単純な計算で背景限界距離を求めたと思いますか?

 

(17) ミント 2019/4/29 06:33

やっと気持ちを固めたので、先生からの問いで残っていた3つに答えて終わりにしたいと思います

 

(18) ミント 2019/4/29 06:33

まず、見通せる距離(可視的宇宙の大きさ)について

「いま宇宙を見渡せる距離(可視的宇宙の大きさ)=背景限界距離÷太陽面輝度に対する今の夜空の明るさの比」です

ここに背景限界距離10垓光年、夜空の明るさ10兆分の1を当てはめると、私たちがいま宇宙を見渡せる距離はたったの10億光年になります

 

(19) ミント 2019/4/29 06:33

これは、現在のハッブル宇宙望遠鏡が可視光領域で134億年前の宇宙に存在する銀河を発見したことと矛盾します

その矛盾に気付けば、津村先生が原著「夜空はなぜ暗い?」から数字を持ってきた「夜空の明るさが太陽の面輝度の10兆分の1」というP.161の記載が誤っていることがわかるわけです

 

(20) ミント 2019/4/29 06:34

1000垓光年も10垓光年もいっしょだと思っていると、こんな簡単な検証すらできなくなります

確認しやすいように、エドワード・ハリソン著「夜空はなぜ暗い?」のP.222,228と津村先生の著書P.161を添付しました。ご参考になさってください

 

 

(21) 津村先生 2019/4/29 10:12

端的にあなたの考えのどこが間違っているのかを指摘しておきます。「銀河2兆個が半径138億光年内にある
」と計算していますが、一般向けにわかりやすく説明する時ならともかく、ちゃんと計算指標とする時に、138億光年を用いるのは正しいのですか?そこを考えてみてください
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~ishizaka/redshift.html

 

(22) ミント 2019/4/29 11:26

津村先生、せっかくクロージングしたのにそのご発言は先生の評価を下げますよ
私はブログの「その4」では図のとおり固有距離と共動距離のリンクを付けています
先生の資料P.30でも138億光年なので揚げ足取りにしか見えません
https://www.astr.tohoku.ac.jp/~tsumura/Tsumura20170326open.pdf

哀しくなるので勝つための議論はやめてください