私がまだ歌謡曲やアイドルに夢中だった小学生時代。
8歳離れた兄貴に突然「このレコードを聴いてみろ。これがHARD ROCKだ」と。
ターンテーブルに乗せ、その音楽を耳にした瞬間、
ただのうるさい雑音にしか聴こえませんでした。
バンドの名は「DEEP PURPLE」。
その後も私は、歌謡曲&アイドル一直線。
読む雑誌は月刊「明星」「平凡」。
やがて中学生へ。
一部のロック好きなクラスメートは休み時間に教室の一番後ろを陣取り。
IRON MAIDEN
RAINBOW
THE MICHAEL SCHENKER GROUP
OZZY OSBOURNEなどの話で持ちきり。
学ランの詰め襟を第2ボタンまで外して
ワイシャツではなく、派手なTシャツを着ながら
「やっぱりHEAVY METALが一番やでぇ!」
などと騒ぎながら雑誌MUSIC LIFEや、Greco・FENDERなどのギターカタログを読み漁っている。
何となく大人びて見える彼らを気に留めながら、時は過ぎ……。
中学3年生の夏。
その瞬間は突然やって来ました。
我が家の応接間にあるラック。
関東で独り暮らしをしている兄貴が置いていった数少ないレコードのうち1枚を引っ張り出して聴いてみたんです。
今思えば、不良ぶった同級生の気持ちにちょっぴり近付きたかったのかな?
左右のスピーカーから大きな音が出た瞬間、感動の涙が溢れ出したんです。
「なんてカッコいいんだ!」
「なんてメロディアスなんだ!」って。
そのアーティストの名は
小学生時代に雑音としか聴こえなかったDEEP PURPLE。
作品名は「PERKS AND TIT」。
1974年に開催された伝説のカリフォルニアジャムでのライヴ。
正規品ではなく、いわゆる「海賊盤」。
今で申しますとブートレグですか。
極端に音質が悪いアルバムでしたが、バンドの持つエネルギーに圧倒されまして。
すぐ、兄貴が住んでいる下宿先に電話を入れて
「DEEP PURPLEのレコードを全部カセットテープに録音して俺に郵送して!」
そして
翌日、ロック好きのクラスメートに
「アイロン・マイデン(IRON MAIDEN)のレコードを貸して!」と懇願。
「それ、アイアン・メイデンやで(苦笑)。」と反論されましたが(^^)
と、いうわけで
私が聴く音楽路線の幅が少し広がった青春15歳・夏の話でございました。