20代後半で仕事を辞めた。
鬱だった。
20代前半で結婚し、当時、仕事の関係で旦那さんとは別の場所に住んでいた。
何もしたくない、何もできない、体が動かない。
そんな私の話を聞いた旦那さんは、
「じゃあ、仕事辞めたら」
って言った。
飛びついた。
仕事を辞めて、旦那さんの家に転がり込んで。
ある日、旦那さんのケータイをのぞき見て、
わたしが鬱で苦しんでいる間、
別の既婚女性と食事に行ったり、その女性の子どもと一緒に遊んだりしていたことを知った。
やり取りから見て、最後の一線は超えてなさそうだったし、
結局、旦那さんの方が告白してフラれたみたいだけど。
仕事もなくして、専業主婦になって、これで離婚までしたら、わたしには何もなくなる。
恐怖でしかなかった。
今、振り返れば。
まだギリ20代でフリーターで独身、子どももいない、なんてなんの問題もないと思える。
退職金だって100万くらい入ったんだし、
3ヶ月くらい実家でぼーっとして、
そのあと、あこがれのリゾートバイトでも青年海外協力隊でもワーキングホリデーでも、
なんでも試してみればよかった。
でも当時は本気で、
実家には帰れない、
離婚なんてありえない、
フリーターなんて絶対無理、
子どもを産んで『主婦』の座にしがみつかなきゃ!!
って思ってた。
単身赴任中、旦那さんはわたしの家の方に来ることはほとんどなくて。
月に数回、わたしが旦那さんの方に移動していた。
鬱で大変な状態になった家の中も、
旦那さんが見ることはなかった。
業者と知人にお願いして何とか原状復帰して。
そんなに、ないがしろにされていたのに、
当時のわたしには、旦那さんにすがる以外の選択肢がなかった。
こんな私を好きになってくれる人なんてもういない。
一生独身は嫌だ。
なーんてね。
で、この根っこにあるのは、やっぱり母親との関係なんだよ。
母親との関係を見直して、ようやくわかった。
母親にすら愛されなかった自分。
クソのような母から生まれ、
クソのような母に育てられ、
母同様、クソに育った自分。
そんな自分、愛されるわけがない。
そんな自分が、たまたま捕まえた男。
手放さないようにがんばらなきゃ、尽くさなきゃ。
軽く扱われても、頑張ることしかわからない。
でも、母親と向き合うようになった今ならわかる。
わたしは生きてていい。
存在してていい。
オトコに認めてもらわなくたって大丈夫。
独身でもいい、
フリーターの何が悪い。
子どももいないんだし、世界を広げるいいチャンスだった。
ただ一つ、
実家に帰る
という選択肢さえあれば。
当時はホントに実家が嫌い、母が嫌いすぎて、
実家に帰ることが思いつかなかった。
あの頃、母と向き合えていれば、
また別の人生だったんだろうな、と思う。
