では。
クリップ作り帯 の作り方です。
普段着物の帯は殆ど針と糸で留めてしまっていますので今回使うのは滅多に自分では使わない&柄出しの説明が楽なコチラの帯を使います。
用意するクリップはコチラ。
スミマセン、一番左の事務クリップは必要ないかもしれません。
事務クリップは最低3個。最初のうちは4個くらいあっても良いかもしれません。
着物クリップは長さ6㎝以上の「大」サイズが最低3個。5個以上あると、なにかと便利です。
(「その1」の帯揚げ仮止めでも使用しますので)
「小」クリップも最低3個以上。同じく、あると便利です。
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では、まずはお太鼓部分から作っていきます。
今回説明に使うのは名古屋帯ですが折り方を変えれば二重太鼓も作れます。
お太鼓の作り方(折り方)が少し違いますので先に図で説明を…。
お太鼓部分出来上がりを横から見た断面です。
この図の「三角折り」と書いてある左側の部分を先にパタパタ折ってクリップで留めるわけです。
名古屋帯を使って写真で表すと、こんな感じです。
「たれ」の長さを決めたら、名古屋帯の場合、好ましい柄がお太鼓に出るようにすると自然に「パタパタ」と折って①&②の状態になる筈です。
で、「パタパタ」とやって3枚布が重なった部分を③の位置でクリップで両サイド仮止めしておきます。
(お太鼓の下線から5センチ程度上です)
次にお太鼓の大きさですが、好みによりますが私は「手先幅」+「帯枕」を包める長さが好みですので③のように手先と帯枕を実際に仮置きして④のように包んで大きさを決め、⑤の位置にクリップで仮止めをします。
そうしたら裏返して⑥の状態に。
次に残りの2メートル程度の帯を帯幅が半分になるように折って、お太鼓との繋ぎ目に図の「三角折り」を折るのですが。
関西巻き、関東巻きなどと呼ばれてもいますが
ポイント柄の場合は、要はどっちの面を前柄で出したいかで身体へ巻く向き&折り方が決まります。
今回私は⑦で指示した柄を出したいので、写真では右方向に、残りの帯を流すように三角折りをします。
三角の下部頂点がお太鼓下線の位置にくるくらいが丁度良いです→⑧
三角折りの下部を、クリップで仮止めします。⑨
次に。
ここで前柄が決まりますので、できれば一度どの方法でも構いませんので帯を締めて確認していただきたいことがあります。
お太鼓の端から自分の前中心まで、何センチあるのか、ということです。
帯締めてない状態でやっても意味ないですよ~。
帯を仮当てするだけでも駄目です。(それで今回の写真撮り失敗してます(笑)
一度是非、ちゃんと帯を締めた状態で計測してみてください。
ここは個人差が大きく出るところなのですが自分は貧相なので(コンプレックスです涙)
大概の場合、けっこう、余ります。
白クリップの位置が、お太鼓の端にきてほしいわけです。
今回はお太鼓の端まで10センチ弱余分だなぁ、という感じ。
(写真を撮る都合上、ライン代わりにカーテンレールを利用して仮置きクリップにしてます)
そこで、下のように余分を三角折りのところに折り込みます。
⑯の位置を着物クリップで、ずれないように押さえます。(慣れたらクリップで押さえなくても平気です)
三角折りの部分は、⑱のように、事務クリップで押さえます。(この事務クリップは着用時も外しません)
さて。
ここで、私がここ1年で気に入っている「ひと手間」が、こちら。
何をやっているかと言いますと…。
実は一般の作り帯でありがちなのが帯結びをしていない分、帯枕が下がりやすい、という難点。
それを、この「ひと手間」で解決♪
やり方としては、⑯で右下に留めた着物クリップを一度外して、ちょいと持ち上げて裏返し、⑳で指示している部分にガーゼハンカチなどを挟んで事務クリップで留めるのです。
「ん?それで何がどうなるの?」
ですよね。
また改めて後でご説明しますので、まずは留めたら、もう一度持ち上げた部分を戻し改めて手順⑱の状態にします。
※写真22&23が無いのは気にしないでください💦
この状態で、写真に写りきっていませんが右方向に2メートル前後の帯が伸びています。
それを下図(写真24)のように、「お太鼓幅+α」=「手先分」の長さ左に飛び出るように手前に折り重ねます。
そして、三角折り頂点の部分の事務クリップを、もう一度留め直し。→写真25
(但し、このクリップ、場合によっては写真30で、再度留め直しとなります。)
そうしたら裏返して、写真26~28のように手先をお太鼓に差し入れます。
この時、名古屋帯、二重太鼓ともに差し入れる部分を間違えないよう、着付け初心者さん&久々さんは最初の手書きのお太鼓図を参照になさってくださいませ♪
差し入れたら写真29の位置に着物クリップを留めます。
このクリップは帯を装着するまで付けたままになります。
特に上部二つは要になりますので着物クリップ「大」で、しっかり留めてください。
そうしたら再度裏返して…
さて。
写真30&31の説明です。
「30」で、あれ?黒い事務クリップは…?と、なりますね。
はい。大概の他のサイトのクリップ作り帯では、こうした細かいことは書いていないのですが…。
事務クリップ、場合によっては直接着物に当たってしまいます。
そうすると事務クリップって角張っているので着物を傷つけそうでイヤなわけです。
(自分の場合は直接当たらないので事務クリップのままだったりもします)
そこで登場するのはコチラ。
事務クリップは三角折りを抑えるのに内側に使ったまま、こちらの「お太鼓止め」を「30」のように、折り返した部分を抑えるのに使います。
この「お太鼓止め」も、工夫次第で色々使えるので便利です。
そして写真31。
ハンカチを挟んでいますね。オリジナル「ひと手間」その2 です(笑)
このハンカチは無くても良いのですが。
この作り帯、背中がゴチャゴチャしなくてすっきりしている分、
気姿の好みや、正装の時など、お太鼓に少しふっくらと丸み、華やかさ、柔らかさが欲しい時には物足りないので…
ここにハンカチをあてることで自然に丸みを演出できて、しかも「たれ」のめくれ上がりをかなり予防できるのです♪
夏場は汗の吸い取り効果も!
ここまでくれば仕上げまで あと一歩。
帯枕を仕込んで終了です。
ここで写真21の「ひと手間」威力発揮!
写真32、ちらっと挟んだガーゼハンカチ&クリップが見えますでしょうか。
帯枕が下がってくるのを防止するストッパーになってくれるわけです。
市販の帯止め具の替わりみたいなものです。
※参考例↓(当方は使用したことないですし、この作り帯には使えませんが)
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このハンカチが無いと、着ているうちに帯枕の位置が下がって、お太鼓全体に弛みができてしまいます。
このハンカチの挟み方をハンカチの厚みや挟み位置などで工夫すれば、お太鼓をもっと大きくすることもできます。
差し込む帯枕は前記事「なんちゃって10分着付け その1」のように下準備を是非♪
帯枕を差し込んだら写真34のように、あとで帯締めを通す位置より少し下に仮紐(写真の白い紐)を通して着物クリップでしっかり留めておきます。
(仮紐は手持ちの余分な腰紐など、なんでも良いです。)
これで完成♡
……って。
文字と写真だけで説明しようとすると
長い 長い 長い💦(ゴメンナサイ💦)
が しかし。
実際に掛かる時間は慣れれば2分です✨
※ 印刷してお使いいただけますよう、2枚の写真に収めなおしてみました。
(追記の説明などもございます)
画像をコピペ&印刷など、どうぞご自由にお使いくださいませ。
&
普段は「その1」でも書いたようにクリップ留めの手間も惜しいので(ズボラ~汗)、滅多に着用しない帯&針を通したくない礼装用の帯など、うんと大切な帯以外の普段よく使用する帯は要所要所を針と糸で縫い留めています。
こんな感じ↓
※2019年7月追記
縫い留め箇所について幾つかご質問を頂いております。
記述&写真でお伝えするのが難しいのですが、縫い留め箇所は帯の厚みや材質によって異なります。
うまくお伝えできず申し訳ございませんが、下記の写真のように
・帯枕の位置を持ち上げて形が崩れないようにすること
・着装時に表から見えないような箇所を縫い留めること
以上の2点だけ気を付けていただけましたら、どこをどう縫い留めても構いません♪
ちなみに、クリップで留めるのと違って縫い留めておきますと、もう一つ利点が。
下記の手順で折りたたんでおくと、
着用時に目立ってしまうような折り筋が付くことも無くコンパクトに重ねて収納しておくことができるわけです。
お太鼓に折り筋残りそうですか?
いえいえ♪
こんな感じで胴回りを折り込んだ部分が厚みのあるクッションになってくれるので、全く問題無しです♪
で、こんな感じで積み重なってます(笑)
旅行の時にも、コンパクト。
軽く縫い留めているだけなので、クリーニングに出すときにはチョンチョンと糸を切るだけで元通りです!
さて。
それでは、次回「その3」では着付けに使う小道具の話など。
…*…*…*…
※現在の製作活動はホームページにてご覧いただけます!→クリック「Miki」