「さよなら」が知ってるたくさんのこと 【文庫本】 【Amazon.co.jp】
- 著者: 唯川 恵
- タイトル: 「さよなら」が知ってるたくさんのこと
恋愛小説家:唯川恵さんのエッセイです。
かつては救いようのない結末に結びついていた言葉「さよなら」が、いまではそうは思えなくなったとおっしゃる著者の、「さよなら」をはじめとして恋や寂しさから学んだことを書き綴ったこの作品。決して頭ごなしにこうしなさい!と押しつけてこない、唯川作品の魅力にあふれています。視点が上ではなく、限りなく私たちの目線まで降りてきている、そんな感じ。
~私が知ってるお話をしますね。私はこうだと思うんです。だからあなたも考えて。私の意見をご参考に。~って優しい流れが感じられます。ああ、そうそう、それそれ、そんな気分・・・と共感する言葉がたくさん出てきます。どうも心の中でスッキリ割り切れなかった事、言い切ってくれてありがとう、そんな言葉も出てきます。そうか、そーだよね・・・落ち着いて広い視野で考えてみれば当たり前の事なのに、ドツボにはまったらそれがわからなくなってた・・・って事を、しっかり力強く、でも、優しく包み込むように心に言い聞かせてくれる感じ。だから、唯川さんのエッセイは好きです。
「彼の判断は、神の審判じゃない。愛されなかった事を卑屈に思わないで。」
「誰かがいなければ楽しめない、ではなく、自分で自分を楽しませる事が出来る。それがちゃんと出来るのが大人になると言うこと。自分が楽しめる何かを持っている人は必ず輝いている。」
「苦しみにもがく時、人は何かにすがろうとするけど、そんな時にはいっそ溺れて。そして自力で這い上がって来て、本物を見つけるの。」
「選ばれる恋じゃなく、選ぶ恋。不倫はそれが出来る女性だけのスペシャル。」
「デリカシーがないことは恥ずかしい事。デリカシーとは思いやり。私はデリカシーのある人間になりたい。」
「お金のあるなしでその人の価値が決まるわけではないけれど、その使い方、接し方で思わぬ姿が露呈する物。」
「答えのでない恋のエンディングは、昔ならとにかく終わらせる事。でも今は違う選択肢もある。それは、会えなくてもいい、言葉を交わせなくてもいい。その人がちゃんと幸福でいてくれさえすれば・・・、と思うこと。」
これは作品中にそのまま出てくる言葉ではありませんが、印象に残った各章の要約です。
励まされる言葉・考えさせられる言葉がたくさん詰まっていますよ。
興味が持てた方、お読みになってみては?
商品データ
●文庫: 204 p ; サイズ(cm): 15 x 11
●出版社: 新潮社 ; ISBN: 4101334242 ; (2001/09)
●価格: 420円 (税込)