バスの中…そして話す事 | lummoxの長い1日

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駄文、散文、写真、絵日記…何を書くかわかりませんが、その日の気分で…

今日、妻とバスに乗って出かけてきた。

そのバスに乗ってきた親子がいたんだ。若い夫婦で奥さんの方が乳児を抱いて、旦那さんの方がベビーカーを押して男の子を連れている。ごく普通に見るごく普通の親子の図…なんだけれど、私の目は釘付けになっちゃたよ。

 

その奥さんのスカートがめくれていて…とかそんなマンガみたいな話ではなくてさ、その男の子、多分4歳くらいだと思うのだけれど、その子の顔がものすごく成熟していたんだ。

うん、TOKIOの松岡昌宏さんがドヤ顔した時にそっくりなんだな。

4歳くらいの子供なのに、眉間に軽く皴を寄せて世の中を小バカにしたような「ふふん」と言う項下効果(*1)音が聞こえてきそうな松岡昌宏さんそっくりの顔で辺りを見回しているんだ。

余りにも似ていて、余りにも可愛くて、余りにもシニカルで、最初は「!」となって、目が離せなくなって、マジマジ見続けて、最後に笑いが込み上げてくる…おぢさん大ファンになっちゃったよ。多分もう2度と会える事はないと思うけれど、できればまたこんな偶然起きて欲しいな。

 

そして用事が終わって、帰りのバスを待っていた時、私たちの前に並んでいたご(老)婦人2人が仲良く話をしていた。が、間もなく1人のご婦人が乗るバスが来て去って行っ。そしたら、残ったご婦人がターゲットをこちらに変えて話しかけてきた。「今日は寒いけど天気がいいわねー」から始まって、ものすごく自然に…

 

こう書くと、老人に付き合わされて運が悪い…と言う話かと思うかもしれないけれど、そうじゃなくてさ。

私も妻も、どちらかと言うとそういう会話(話題を振る役)が苦手なんだよね。親しい友人を相手にしても、そんなに話題を振れる才能なんてない。なのに、このご婦人は全くの初対面の私たちを相手にしてさえ滔々と、流暢に話をし始めて、更には話題に引き込んで会話を持続させて行く。これはすごい才能だよね。

 

よく「子供が生まれたら公園デビュー…頭が痛い」とかそんな話題を見かけるのだけれど、この手のご婦人なら、そういうのも苦にもしないのだろうな。そしてそういう才のない私たちのようなものが先のようなセリフを吐いてしまうのだろう。

その後夫人が先にバスから降りたのだけれど、その後しみじみ妻と「もし、こういう会話術が学校の試験にあったら、うちら絶対落第していたよな」と深く頷きあったのだった。

 

以前にも書いたかもしれないけれど、私がどうしても不思議なことがある。それは、いわゆるお笑い芸人という職業の人達の中で結構な割合の人が、「学生時代は友達がいなかった」「嫌われていた」とか又はやんちゃで学校を中退したとかそんな経歴だという。

学生時代に友達がいなかった人がどうしてお笑いの道に進もうと考えたのだろう。学生時代にやんちゃだった人って、基本人に笑われるの嫌いな人じゃない?なんでそんな人がお笑いの道に進もうと考えたのだろう。

大体、友達がいなかった。暗かったという人ややんちゃだった人が、どうして「人を笑わせるのが仕事」な職業を選択肢として選んだのだろう。

 

本人が語る「暗かった」「友達がいなかった」をそのまま真に受ける方がアホやねんと言う見方が正しいのかもしれないけれど、確かに昔の写真を見たら「行っている事は嘘じゃなさそう」な雰囲気の人も結構いるので不思議で仕方がないのだ。


話がうまいというのは才能の1つだよね。

起承転結のストーリーを構成して、何を伝えたいのかを簡潔にまとめ、雰囲気を読んで、効果的に、分かりやすく伝える技術。

私もコンサルティング業務をしなければならなくなった時、私の本職はプログラム開発業者なのになぜ…と、最初は右も左も分からず、上司の後をついていくだけだったけれど、必死に勉強して、ある時客から振られた問題に対し、頭に浮かんだ思い付きを頭の中で組み立てながら、はったりを混ぜながら回答できた時、そのあまりの的確な答えに、乱暴に言うなら「自分でついた嘘を自分で信じてしまいそうになった」時、「あ、コンサルティング業者としての仕事ができたな」と思ったものだった。

そんな経験から、お笑いの才能のかけらもなかった人でも、仕事として精進すればそれなりの技術が身に付くという事なのかなと思えるのだ。つまり、話の旨い下手は、後天的な努力で何とでもなると思うという事だ。だとしたら、その努力を今からでもしてみたいものだな。今もしそんな試験があったら確実に落第するのだとしても、試験があるなら試験対策の資料などが売られるに違いないので、高くてもそれを買って勉強したいものだ。だれかそんな資料を作って売ってみないかな!?

 

*1:2021/11/29 16:20 誤字訂正