リンクがいつまでつながっているか分からないけれど、AmazonのKindle unlimitedで見かけた漫画「苦手な先輩の秘密を知ってしまった話」…
ネタばれと言うほどではないと思う事を書くけれど、先輩と言うのが山口県の出身だけれどそれを隠している。なのに油断すると方言が出てくるって言う事を知った後輩との話なのだけれど、私も数年間山口に入り浸っていたことがある。今から7～8年位も前の事だ。
この漫画の2巻で
私は山口県でも
海育ちなんだけれど
海はあるけれど
森や川は近くになくて
と言うセリフがある事にものすごく引っかかった。
もしかして、この作者は山口県を知らないのではないか？と…
私は新潟県出身で、今東京に住んでいる。
東京から新潟、世界地図で見たらほんの数ミリ程度の距離だけれど、それでもいざ田舎に帰るぞとなれば、高速道路を使っても数時間、一般道路を使うとなれば7～10時間位のロングドライブを覚悟しなければならない。
同じ本州だからとこのスケールで最初は考えていたのだけれど、山口県の場合は瀬戸内海側の宇部市から日本海側の萩市まで一般道をのんびり走っても1～2時間程度なのだ。
地図を見れば明らかなように、本州は東と西でその太さが明らかに違う。山口県の辺りなど、本当に1/4かそれ以下程度の厚みしかない。
そして、私は新潟平野の真ん中で育ってきた。学校の校歌でも歌われるくらい山は遠くにあるもので、近くは見渡す限り田んぼが広がっていた。なので小学校の社会科で日本の7割が山と習った時、「嘘だ。どこにそんなに山があるんだ」と真面目に思ったのだ。
社会人となって広島へ出張した。山口県境にある当時建設中の弥栄ダムが目的地だった。
当時広島空港は観音の海沿いにあって、そこからレンタカーで山口県方面へ国道2号線を走るのだけれど、市街を抜けるとすぐに左手が海で、右手が山になっている風景にびっくりしたのを覚えている。
平野がない…これが日本の多くの場所で展開される地形なのか？そう思って初めて「日本の国土の7割が…」が納得できる気がしたのだ。それから全国各地に出張に行く度、平野って少ないのねと実感し続けてきた。
山口県も基本海からすぐに山が連なっている。
「海沿いに住んでいたから、森や川がない」そんな土地が山口県にあるだろうか。「山口市や下関市、萩、宇部新川など都市部に住んでいたので、森や川と縁遠い生活だった」と言われたらある程度は納得するのだけれど、山口県の海沿いはどこに行ってもすぐそばに山が控えている。
少しのネタバレになるけれど、作中で瓦そばを「地元」と言うところがある。
自分の話で言うと、蒸気パンは地元の味だけれど、へぎそばや栃尾の油揚げなどは同じ新潟とは言え、全く縁もゆかりもない食べ物だし、新潟の郷土料理「こにも」も下越と上越では全く味が異なるので、上越地方で「こにも」を出されても決して「懐かしい」とはならない。それを踏まえて、瓦そばを「地元」と言うなら、下関の川棚温泉、辺りを地元としていると思われるのだけれど、川棚の辺りで海が近くて森や川が遠い場所が思い浮かばない。
台詞として使われている言葉も、こんな言葉を山口で聞いた記憶がないなぁと思う物ばかりで、果たしてこの先輩はどこの人なのだろう？と考え続けてしまう。
山口県の宇部新川付近に数年居ただけなので、「お前に何が分かるか！」と怒られるかもしれないけれど、つたない経験から私はそう思ってしまった。
あまり好きなものではないけれど、都道府県の人気投票みたいなものがある。イメージだけ先行して他を知らない人の無責任な投票で決められるものにすごく抵抗がある。
そんな人気投票で、山口に行くならあと少し足を延ばして福岡に行く。又は手前の広島に行く…そんな声が多くて山口県は結構苦戦しているようだ。
でも、山口県は幕末に活躍した人も多いので刊行する場所に事欠かないし、海に囲まれているので魚も豊富でうまい。山も嫌と言うほどあるからジビエの材料も豊富だ。
関東圏の人なら「わさび漬け」と言うと静岡のわさびをつけた物しか知らないかもしれないが、山口県のわさび漬けは「わさびの葉」を漬けたもので、私はこちらの方がものすごく好みだ(が、それが山口の郷土料理なのか、その店だけのオリジナル商品なのかは知らないけれど…無責任でごめんね)。
…調べてみたら、太田屋さん昨年末に閉店していた。ショック！
それ以外にもおいしいもの、おいしい店は一杯ある。私は個人的には観光で行くなら広島や福岡より山口が良いなと思っている。何よりゆったりのんびりできる雰囲気が好きだ。
それくらい山口はお気に入りなので、あの漫画、実際はどうなんだと気になって仕方がない…どなたか詳しい方の意見求む。
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