頭がぐるぐるする看板 | lummoxの長い1日

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full in care cow was to become with note

…他にも何パターンか存在する様だけれど(弓月光さんが描かれた漫画の中では別のパターンだったと記憶している)、「古池や蛙飛び込む水の音」を韻で英単語に置き換えた古典だ。

東京から新潟方面へ一般道で向かう途中、深谷バイパスあたりを走ると、そこここに「5IS ファイブイズホーム」という看板を目にする。

(最初に書いておく。このファイブイズホームという会社に恨みがある訳では無いし、この会社(の看板)だけが悪い訳でもないのは重々承知している)

それは埼玉県北部から群馬県を活躍の場とした住宅・土地販売の会社(の看板)らしいのだけれど、兎に角、看板の「5 is」「ファイブイズホーム」が目立つ。目立つし、それが目に入ったら最後、頭の中で「5は家…一体なんの意味なんだ?」と思考回路がショートしてぐるぐると無限ループを始める。
そして、冒頭の「full in care〜」を思い出す事で「意味のない『英語のような物』もある」と頭に理解させることで無限ループを断ち切っているのだ。

以前、恥ずべき事だが追突事故を起こしたことがある。片道3車線の国道を走行中、助手席に置いた携帯電話が鳴った。反射的に携帯電話に目線を移してしまったその瞬間に信号が変わり、前の車が減速。目を離していた私は減速が間に合わず前走車にぶつかってしまったという事故。

時速60kmで走る車が1秒間に進む距離は
60,000(m)÷(60(分)×60(秒))≒16.7m/s
となる。
つまり、時速60kmで走る車は、2秒で33.4m、3秒あれば50.1mを走る。「ほんの少し」のつもりでも車はとんでもない距離を走るのだ。

反射的に注目を集めてしまう電話の着信音も、この看板の様に運転者の目を引いて、さらに頭の中をぐるぐるさせる看板も携帯電話での通話や操作同様に危険なのではないだろうか。
残念ながら日本の法規制は理路整然とした論理的な枠組みとは無縁で、時速60kmで走る車の中から補助看板の小さな文字を読み取る事を是とする。読めなければ読める速度落とせと。スムーズに車を流すことより「お役所様の都合に運転者が合わせるのが当然」という殿様商売だ。

心理学的に事故を起こしやすい配色など精神医学的な分野から応用できることはあるはずなのに、それらは全く当てにされていない様に見受けられる。

煽り運転なども、免許更新時の心理テストをただやりました。参考にしてくださいではなく、危険と判断されたら免許更新をさせないなどの処置をすることでかなり減るはずだ。免許を取得する権利は誰にでもあるが、それを凶器に変えない義務も「安全運転義務」として免許を取得する者誰もが背負っているのだから、それを守れない者を排除するのは役所の務めではないのだろうか。

運転免許を交付する事を規制する必要性に加え、運転者を混乱に陥れる道路標識の整理に加え、民間広告看板の心理学的な影響チェックなども是非やって欲しいものだ。

そういう規制の動きを「人権の侵害」と騒ぐ派閥があるらしいが私は賛同できない。
権利を得る(行使する)ためには義務を果たす。その義務を果たせない輩が「権利をよこせ」と騒ぐことが滑稽なのは言うまでもない。それだけの事だ…と言いつつも、「権利はある。義務がある事を理解してもらう」が性善説の基本という事なのだと理解はしている

最後にもう一度書いておくけれど、ファイブイズホームという会社にはなんの恨みもない。
この看板を見て「頭がぐるぐる」するのは私だけかもしれない。「この看板は撤去されるべきだ」と騒いでいるのではなく、個人的偏見に基づいて運転に影響ある看板として挙げさせてもらったまで。諸悪の根源だとか、ダメの代表とかそういう話ではなく、単に「私はこの看板を見るとぐるぐるする」と言うだけなので誤解なき様。