5分でわかるIFRS ①導入の影響 | 女性起業家 ルミナスのブログ

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公認会計士であり、組織の仕組みづくりのお手伝いをする会社を経営しているルミナスが      

日々感じたことを書いています。

最近、IFRSInternational Financial Reporting Standards

(国際会計基準または国際財務報告基準)
という言葉をよく聞くようになりましたが、
皆さんはご存じでしょうか?


直近の週刊ダイヤモンドでも
特集が組まれていましたね。 本 


投資の国際化に伴い、
投資家が財務諸表を比較、分析できるように
会計基準を国際的に統一しよう
という動きが本格化してきたために、
注目されるようになったものです。


1.コンバージェンスって?
日本の会計基準については、以前から、
国際会計基準との差異を減らしてゆく作業
が進められてきました。

これをコンバージェンスといいます。


一般的には「収れん」と訳されていますが、
分かりにくいですね。。。


この結果、日本の会計基準は、

"国際会計基準と同等である"

と認められています。


具体的な差異の縮小は2010年からの
新会計基準の適用開始をもって本格化します。


2.アドプションへの動き

IFRSに対し、今まで日本では

"コンバージェンス" で対応してきましたが、


中国、カナダ、韓国、インド、アメリカ、

など主要な諸外国が、

国際会計基準の全面採用を決定したり、
強制適用に向けて動き出したりしてきたため、


主要国の中で国際会計基準の

全面採用の予定がない国は、
日本だけになってしまいました。


そこで現在では、

"日本も国際会計基準を全面的に採用するべきだ"

という議論が起こっています。

この「全面採用」のことを、アドプションといいます。



3.採用の影響

では、国際会計基準を全面的に採用すると、
どういう影響が起きるのでしょうか?


最も大きなものは、
原則主義 王冠1 への対応

ではないかと思います。


現在、財務諸表を作成するときは
従わなければならない規則や会計処理の方法が

実務指針等で細かく決まっています。
これを規則主義 (または細則主義)

といいます。


これに対して、
IFRSでは細かい規則が示されません。


大まかな方針が示される中で、
会社が自分たちで取引の実態を踏まえて、
会計処理や財務報告のルールを
決めていかなければならないのです。
これを原則主義といいます。


趣旨を考えて基準を解釈

しなければならないので、
レベルアップが必要になります。


もちろん、前提となる
内部統制システムの整備も必要になります。



4.まず出来ることは・・・?

将来的には全面採用になる可能性が高いですが、


まずは、

・上場企業への連結財務諸表の強制適用と、
・ 2010 年3月期から(コンバージェンスの一環として)

 行われる新会計基準の適用、


これらに備え、

上場会社の経営者、経理担当者、
IPOを目指す企業、M&A会社、コンサルタントなど

関係者の方々は、


自社の現状把握、体制構築、

社内の人員のレベルアップ等、
急いで対応策を講じなければなりませんね。 DASH!


【KeyWord】 IFRS/コンバージェンス/アドプション/原則主義