ピアニストのフジコ・ヘミングさんが亡くなり、追悼番組をやっていたのを観ました。

 

フジコ・ヘミングはリストのラ・カンパネラの曲の演奏で67歳にして突然ブレークしたピアニストです。

演奏の素晴らしさもさることながら、ご本人の個性的な衣装や言動などで強い印象を残す人でした。

 

しかし、私はフジコさんを観るたびに一番強く感じていたのは

この人のインナーチャイルドの傷つき方は半端ないな。。。ということでした。

いつ観ても、どんなことをお話しされていても

そのインナーチャイルドの傷がはっきりと浮かび上がって

どこか観ていることもつらくなるほどでした。

 

こういった人というものはなぜそう感じるのかうまく言えないのですが

たまにいるものです。

何がそう感じさせるのか、はっきりとは言えなくても

それでもその傷というのがものすごくわかることが多いです。

きっと私の中にある傷が相手の傷に反応してはっきりと何かを感じさせるのでしょう。

 

演奏家や歌手、俳優、芸術家など表舞台に出ている人で

そのような深いインナーチャイルドの傷を持っている人は多いものです。

しかしそういった人々は自身の演奏や作品、創作活動などによって

その傷を埋めて、自ら治癒しているのだと思います。

 

フジコさんは苦労の多い人生を過ごした後に

晩年にピアニストとして大成したけれど

そのインナーチャイルドの傷についてはどうだったのだろうか。。。

と思わずにはいられません。

 

たくさんの猫たちに囲まれ、

やはりピアニストだったという厳しかったお母様のピアノを奏でながら、

たったひとつの愛情を求めた少女が手にしたものが一体なんだったのか、は

ご本人のみぞ知ることです。

 

クールに装っていても演奏は物悲しく、感情豊かで

色彩豊かな演奏で魅了されました。

天国でも自由に楽しくご自分の演奏活動をしてほしいな、と思います。