昨年参加してとっても楽しかったフレスコ画講座に今年も行ってみました!
講師の先生はイタリアのフィレンツェに10数年住んでいた、壁画修復やモザイク、フレスコなどの素敵な作品作りをされている方です。人気の講座ですぐに満員になってしまうため早々に申し込みをしました!
フレスコ画講座は2日間でひとつの作品を作ります。
石膏粉末と砂、水と混ぜ合わせてモルタルを作り、それを用意された小さな木の額の中に塗って土台作りをし乾燥させて、さらにまたもう一度モルタルを上塗りしてやっと2日目の午後から顔料と水のみで絵を描きます。
真っ白なモルタルを平らに綺麗にしていく作業が力仕事でもあり、細かい作業でもあって難しかったです。。。
それからどの絵の模写をするかをそれぞれで選びます。先生が用意してくださった作品のコピーはイタリアの中世のフレスコ画やポンペイ遺跡の壁画など私の好きな絵ばかり。。。みんな真剣に選びます。
ジョット、ボティチェルリ、フラ・アンジェリコ、ピエロ・デラ・フランチェスカなどなど中世好きにはたまらない作品のコピーばかりでした(^^)
私はピエロ・デラ・フランチェスカの懐妊の聖母という作品の天使の顔を選びました。
正面を向いて静かな表情を見せる天使が、今の私の気分に合っていました。
絵の具となる顔料は粉末の状態で水と練り合わせて自分たちで作ります。
日本画はここに膠(にかわ)を混ぜるそうですが、油絵具や水彩絵の具にしか慣れていない私には、自分で絵の具を混ぜて作ること自体が新鮮なことでした。
顔料の絵の具の種類は私が高校生の頃に油絵具でよく使っていた絵の具の色ばかりでした。ローアンバー、ローシェンナ、カドミウムレッド、イエローオーカー、サップグリーン、コバルトブルーなどなど置いてある顔料のすべてが私が好んで使っていた深い渋い色味の絵の具の粉末ばかりだったのには驚きました!
絵を描く時間は本当にあっという間です。モルタルが乾ききらないうちに描いていくという昔のままの技法で、全体を時間内に塗り終えなければなりません。
2度目とはいえ慣れない絵の具の扱いに苦戦しながら、また昔の画家のすごさに感嘆しながら、制限時間いっぱいまで描きました。
最後は全員の絵を並べて講評の時間です。みんなでそれぞれ感想を述べ、先生から良い点やもっとこうすると良い点などの講評をしてもらいました。
私にはこの講評の時間が美術研究所にいた頃のようでとても懐かしく楽しく感じました。
参加者は年代も様々で、通信教育での社会人大学生や年配の社会人大学院生の方などもいました。みなさん生き生きと作品作りを楽しんでいて大人になってからの勉強を楽しみながらされているのがよくわかりました!先生はひとりひとりにとても愛のある、また伸び代を伸ばす意図を感じさせる講評をされていました。どんな人にもその絵の中の良い点やその人らしさ、を重視して尊重してくれていました。その意味でとても素晴らしい先生ということがわかります。
私は描いている間は先生にほとんど声をかけてもらえませんでした。
講評で先生は私に「途中見ている間はハラハラもした、あなたはうまくないし、模写もできていない、それでも前回のモザイク画、前回のフレスコ画もそうでしたが、あなたの絵には好感を持ちます。私は好きです。そこがあなたの才能だから自信を持ってください。」と言ってくださいました。
大人になると誰かに褒めてもらうことがほとんどない、あるいは褒めてもらってもそれをそのままに受け取れないこともあります。
しかし先生が言ってくれたことはとても正直でまったくお世辞も嘘もないことがわかりました。
久しぶりに描いた絵で自分のことを認めてもらえ、自分の個性をそのままでいいよと言ってもらえた気がして、
今回は失敗作かも。。。と内心思っていた私はとても救われた気がしました。
どんなやりとりも自分のエネルギー、オーラに関わります。
絵を描くことで浄化ができて、私のエネルギーも他の参加者のみなさんのエネルギーも輝いていました。
帰り道の足取りも軽く、重たい石膏に描いた自分の天使を持ち帰りました♪
下絵
ちょっと塗り重ね
最終的にこうなった。。。(^^;;