「ただ一つここで皆さんに申し上げたいことは、大気汚染だけかという、あるいは虫だけかという、あれかこれかという考え方がそもそも間違いだと思うんです。
新聞記者諸君は記事書くにはおもしろく書かにゃいかぬから、皆おもしろく読まにゃならぬから、だから虫害説、大気汚染説と、こうやるわけです。
そういうことでは本当はないので、われわれは虫が広がった理由は何かということを検討している。それが全然林野庁で説明できておらぬ。とにかくおる、だから枯れておるのだから薬かけにゃいかぬ、こういうことなんです。
ところが、そうすると今度は大きなマイナス面が出てくるんですがね。」(龍谷大学教授 吉岡 金市氏)
『第80回国会 参議院 農林水産委員会 第8号 昭和52年4月1日』より。
松が枯れる理由として、大気汚染も大きく関わっていたらしい。
そして、松枯れの原因となる虫には天敵がいないということになっていたが実際にはいたということ。
更には、スミチオンが大気汚染とともにその天敵を殺してしまうのだという。
対症療法的な解決策に飛びつくだけでは痛い目を見る。