今年ももう年の瀬。
2020年庚子も随分色々なことがありました。
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年初からコロナウイルスによる世界的パンデミック、米中の衝突、
アメリカ大統領選挙、黒人差別への大規模デモ、
アメリカではトランプによる閣僚(部下)の次々の交代や
SNSでの問題発言が物議を醸すこともしばしば。
部下運や発言が中殺される、寿中殺らしい動き方だったといえます。
国内では長期政権であった第二次安倍政権の交代、
中国の不穏な海洋進出と違法な漁獲乱獲による
日本近海の海洋資源の枯渇、、、
また妻子ある有名人の不倫問題や、
暴言問題も、SNSを通して社会的批判に晒された年といえます。
世論が政権や芸能界にまで大きく直接的干渉を
与える力(手段)を持ったとも捉えられるかもしれません。
特に安倍政権による検察上層部への介入は、SNSで大きな批判の渦が
生まれて、結局黒川検事長の定年延長はなくなり、
最後には賭けマージャン問題で失墜する事となりました。
その安倍総理も2020年が東方天戦地冲の年でしたが、結局
空亡月(申酉)に政権を降りる事となり、年末には
これまでの虚偽答弁への責任追及が苛烈になってきています。
年初には武漢から発生した新型コロナが世界的に拡大し、
日本ではイギリス船籍のクルーズ船への対応から始まりましたが、
外国人の入国制限の遅さなど水際対策の甘さにより、
結局国内への感染を抑え込むことはできませんでした。
そしてその後も人命より経済優先の政策を取り、
安倍首相の後を継いだ菅首相も結局は二階幹事長の傀儡となった結果、
GOTOによるウイルスの蔓延を自ら招いてしまっています。
要は旅行業界に忖度した政策を実行したのは、
全国旅行業協会の会長であり、業界から多額の献金を受けている
二階幹事長にとっての大きな金づるだからです。
要は国民のための政治ではなく、
結局は古い政治家の保身と権力欲で政治が動いているわけです。
そして二階氏に選挙での恩がある菅首相は
結局これに抗う事はできておらず、支持率も急速に低下しています。
そもそも菅首相は命式からみても
首相の器やエネルギーではないのです。
そして座気も残念ながら結果を出せる状態にありません。
自民党の宿命は2021年が天剋地冲ですから、
来年、大きな淘汰の波に晒されることになります。
おそらく国民の大きな反感を買う事になるでしょう。
ここできちんと生まれ変わることが出来るかどうかです。
(ちなみに前回の天剋地冲は自民が下野した2009年の時です。)
しかし結局のところ、問題は
自民意外に選べるまともな政党がない事であり、
二大政党制を創れなければ、日本の政治の質は
いつまで経っても改善することはできません。
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さて、2020年の庚子とは根源的には
どういう意味を持つ干支でしょうか。
まず金性はもともと淘汰を象徴する五行です。
これは人間の次元でも闘争性や行動力を示しますが、
天(宇宙)という次元における金性の象意は
そもそも太素の時代であるとされます。
即ち、宇宙の創生における金性の象意とは、
戊己(星)の中で諸々のエネルギーが激しく激突する中から
鉱物(元素)=庚辛が生成される過程を言うのです。
そして子とは物事の最初、開始を示す十二支です。
子の根源的意味は孳ふえる、であり、
ゆえに子どもをたくさん産む鼠を子に当てはめているわけですから、
陰極まって陽の開始であり、そこから増えることの象徴とも言えます。
庚子は生命である木性(もちろん人間を含む)から見れば、
淘汰の開始、淘汰の作用の拡大、そのように読むことができます。
それは、単にコロナウイルスによって
生命が淘汰されていくことだけでなく、
人間の文明が大きな波の中で淘汰されて、
過酷な生存競争に晒されることを意味するのでしょう。
そしてその作用は、結局人間や生命を
剋し、鍛えて、より強いものへ進化させる働きを持ちます。
常に金性は試練として生命の成長と進化を促す五行なのです。
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庚金について古代人がどのように捉えてきたのか。
よく分かる例が一つありますが、
「庚申」という民族風習です。
日本でも平安貴族の時代から江戸時代の武家社会や
民間レベルに至るまで、よく浸透して行われた行事です。
守庚申、庚申待、などともいわれます。
今でも庚申塔、庚申塚というのが残っている所も良くありますね。
これは庚申講といって、庚申年にこれを建てて、
その中で神饌、神酒を供えつつ、眠らないように
朝まで談笑して夜明かしした名残りです。
庚申という行事は概ね、守庚申を主とし、
庚申の夜には眠らずに徹夜して過ごす、というもの。
その背景には、庚申という強い淘汰の作用を
古代人がとても恐れていた、こういう背景があります。
これについては
ちょっと話がずれますので後で詳しく見ていきます。