オープンして3か月目、初めての看取りをさせていただきました | 認知症特化型サ高住ルミエールしかまつのブログ

認知症特化型サ高住ルミエールしかまつのブログ

(恐らく)日本で初めての認知症に特化したサ高住です。
悪戦苦闘しながら認知症の方の精神病院を何とか食い止めたいと念じています

初めての看取りをさせていただきました
S様 93歳男性 大腸癌末期、認知症(昼夜逆転、怒声、物を放り投げる)
入居者様は93歳の元内科医の男性S様でした。86歳で脳梗塞を患うまで開業医として地域に尽くしてこられました。
手術後、がんの再発転移のため在宅療養を続けておられましたが、認知症の悪化、昼夜逆転、夜間の大声などのため家庭介護の限界となりました。
緩和ケア病棟や一般病棟は激しい認知症状のため入院困難で、今までは精神病院に入院せざるを得ないような方です。
昨年12月上旬にKクリニックの紹介でルミエールしかまつに入所されました。
昼夜逆転、ピック的な大声、怒声、時に掃除機など物を放り投げるなどがあり、コウノメソッド(名古屋フォレストクリニック)に基づいた認知症周辺症状緩和の試行錯誤の連続でしたが、最終的には、下記の処方で昼夜逆転と昼間の興奮をほぼコントロールできました。
クエチアピン錠25mg      4 錠
ブロチゾラム口腔内崩壊錠0.25mg 1 錠  内服:就寝前
ハロペリドール錠0.75mg    1 錠
コントミン糖衣錠12.5mg 2 錠   内服:朝食後
コウノメソッドは、がんの症状緩和によく似た微量調整療法ですが、百数十例の経験では、がんの症状緩和と同じくらいの割合で周辺症状を穏やかにして、私の経験では奏功率は90%以上です。
残念ながら病勢は徐々に進行しました。1月下旬から食欲が徐々に減少し、るいそう著明となりました。2月上旬に経口摂取不能となった時には3日間皮下輸液を施行いたしましたが、最終的にはご家族のご希望もあり、これ以上の延命治療は行わず、見守り体制に移行いたしました。そして2月8日、スタッフご家族に見守られながら安らかに永眠されました。58日、2か月余りを過ごしていただきました。合掌。
認知症とがん終末期の両方でお困りの方ぜひご一報ください。