- D.J. マクヘイル, D.J. MacHale, 法村 里絵
- ペンドラゴン―死の商人
14歳のボビー・ペンドラゴンは、憧れのコートニィ・チェトウィンドとファーストキスを交わしたその日から、スペース・トラベラーとしての過酷な運命と向き合うことになる・・・
一言で言ってしまえば「話は面白かった」んですよ。
ただ、ボビーの物語が進んでいく手法が、ボビーが友人マークに送る日々の記録をマーク(途中からコートニィも)が読んでいくかたちで進んでいくのがちょっと腑に落ちなかった。
トラベラーとしてボビーが行く世界「テリトリー」では地球と時間の流れが違うって設定だけど、
マークに記録が届き続けてるかぎりボビーは生きてるんだということが、どんなに危険な事態にボビーが遭遇しても「生き残るんでしょどうせ」みたいな気持ちにさせてくれることがあった。
時間の流れが違うから、記録を送ってすぐにボビーがどうにかなってしまうってことは十分にありえるんだけど、
よく映画を観てて、観に行くとき既に続編制作が決定してたり続編が出そうな流れに行き着いたことに気付いてしまうと「どうせ助かるんでしょ?」みたいに、主人公がどんなに危ない目にあってても頑張れ!ってワクワクしながら応援する気持ちが急速に醒めていくような、あの気持ちを読んでる最中モロに味わってしまいました。
しかも最後の記録を持って一度ボビーは完全に地球に帰ってきてしまうんです。
マークとコートニィに記録を託してボビーは休息、二人がその間に記録を読む。
待ってくれどんなにボビーがその記録の中で凄まじい危機的状況に陥って命の危険に晒されてたってボビーそこにいるんじゃん助かったってことじゃんと激しくげんなりしてしまいました。
そこに引っ掛かってしまったので「素晴らしい」と「興醒め」という相反した感想を抱いて読了することになってしてしまいました。
本当にボビーの長編冒険大作としてはボビーのエピソードの構成がきちんとしてて、間に入るマークとコートニィのやりとりもよかった。
でもこの手法で続巻も続くなら、この話は私に合わないのかもしれません。今物凄く複雑な気分・・・
ボビーが戻ってきたあとの流れはすごく良かったんだけどな。記録を二人が読んだ後の、ほんとに最後の最後。
何だかんだいいつつ話の素晴らしさに星は4つ。
全10巻らしく、今も続巻が発売され続けてるそうです。
続きは・・・あまり天邪鬼にならないように読んでみようかなと思います。