ケイト・トンプソン, 渡辺 庸子
時間のない国で 上
どういうわけかいつも時間がたりなかった。

一時間が、一日が、一週間が飛ぶようにすぎてしまうのだ。

音楽一家リディ家の長男JJも、家族も、まわりじゅうみんながそう感じていた。

そんななかJJは、母ヘレンの誕生日プレゼントになんとかして時間を買おうとするのだが・・・


時間と音楽にまつわるストーリー。

とても穏やかな雰囲気が流れてる物語だけど、

時間を渇望するJJたちの他に、時間を必要としない側の立ち位置に立つ人物達も登場してきて、それぞれの主張が徐々に絡まっていきます。

穏やかなのに完全に穏やかだとは言わせない空気を作り出すストーリー構成、いいですわ。

読みやすいし理解しやすいし、さりげなくいくつかの謎を張り巡らせているし。

軽くネタバレしちゃう私が感じた謎の最たるモノたちは、

JJのひいおじいさん・・・その名もJJ(!)が殺したとされた、本当はひいおじいさんの楽器を手に行方をくらました神父はいずこへ?

主人公のJJがひいおじいさんと同じ名前を授かったことに何らかの意味があるのか?

そして若き新米警察官であると同時に素晴らしきフィドル奏者であるラリー、あんた何者?うすうす予想はしてるけど。


あぁ早く下巻が読みたい!


というわけで下巻に期待で文句なしの星4つ。

どんな風にシメてくれるのか楽しみです。