バラナシに遊びにいった時にあてもなくフラフラと街歩きをしていて人気のない方人気のない方へと進んでいた時に、ガンジス川のほとりにあるとあるアシュラム(寺院みたいな所)に迷い着いた。
川のほとりといってもガート(川岸のことだけどインドの人はここで祈りをささげたり洗濯をしたり身体を洗ったり散歩をしたりお喋りしたりしてる。でも一番目だったのはクリケットというスポーツを楽しむ子供から大人までの男性達の姿だった。)から僕のいる位置まで20mくらいの高さがある。なもんで確かに目の前はガンジス川なんだけど全然人がいないからガートや街の喧騒とは無縁で、静かでどこか神聖な空気が漂っていた。
アシュラムの入り口は一軒家のゲストハウスの中庭を通って行かねばならず、これではなかなか人は訪れないだろう。
僕は何故か吸い寄せられるようにゲストハウスの庭を突っ切った。
その時点ではその先に何があるかはわからなかったけど、とにかく見たことない景色を見てみたいという欲求が、僕の心を大胆なものにし、恐れや遠慮などを超越させていた。
ゲストハウスの奥にあるアシュラムの入り口を潜ると、明らかにゲストハウスとは違う空気が流れていた。
僕は恐る恐るアシュラムの中に足を踏み入れて様子を伺った。
中央に控えめだが立派な寺院があり、いくつかの人が余裕で入れる大きさの祠の様な建物がある。
その周りをぐるりと平屋の建物が囲んでいて、どうやら修行僧はそこで寝泊まりしている様だ。
誰もいないので川を眺めたり建物を眺めたりしてぼんやりしていると、突然後ろから声を掛けられた。
振り返るとオレンジ色の服を着たサドゥーが離れたところから僕に向かって何やら話しながらこちらに歩み寄っていた。
彼は僕をみて特に驚いた様子も怪しむ様子も見せず、当然のようにこっちに来て一緒にチャイを飲もうと誘って来た。
聞くところによると、彼は数年前からこのアシュラムで住み込みで修行していて、今はここを守っていていると言う。
インド人はよく喋る。
ガートで座っているだけでも隣に座って話をしてもいいかい?と話しかけられる。
当然物売りや詐欺師の可能性は高い。
だけど中には本当に世間話をして去っていくやつもいる。
なのでインド人のお喋り好きは別に珍しいものではない。
彼は僕に質問を浴びせてくる。
僕も負けじと質問を浴びせかける。
それからというもの、僕はバラナシに滞在してる時はちょくちょくここへ通って彼と一緒に時間を過ごした。
が、やはり相手はインド人。
本当に驚きの連続だった。
お前のエネルギーが欲しいとかいってハグをしてくる。
相手はヨガをやっているからか、歳の割に体は割とガッチリとして引き締まっている。が、身につけているのはふんどしのような布一枚。ふんどしのように逸物を包むわけではないのでチラチラと逸物が見え隠れする。
そんな男に抱きつかれる。こっちも上裸で外の気温は40度を超えている。
日陰にいても部屋の中でもじんわりと汗が滲み出る暑さの中男に抱きつかれる。
しかもハグをしていると男はエネルギーが溜まってきたのかより激しくなり、終いには押し倒してくる笑
お前のエネルギーがー!お前のエネルギーをもっとー!!
とか言って腰まで振ってくるから最早理解不能。
ハグくらいなら異文化コミュニケーションとして受け入れられるけど腰まで振られたんではたまったものではない。
僕は落ち着け落ち着けといって物凄い力で抱きついてくるサドゥーを必死に引き剥がしたけど、これぼくが女性なら余裕でレイプの流れになりそうだなと。本当にあくまでもエネルギー交換なのかなんなのか謎のままだ。
他にも色々と驚くような彼の常識や価値観と対峙して度々本当に困惑し何度も度肝を抜かれた。
一方ではめちゃくちゃだが、ある一方ではとても頑張っていて、朝夕2回ほど彼は自分の守っているアシュラムで2時間前から準備を始め、小一時間かけて神に祈りを捧げる。
そしてついに祈りが始まると、左手に鈴のようなものを持ちそれを常に鳴らし続けながら、右手で下の写真の女性の持っている火のついた物を持ってそれを何か法則があるのか、一定の軌道を描くようにして動かし続けている。その上でマントラを唱えながら祈り続ける。
その間アシュラム内に点在する神々の像やら絵やらシンボルを順に巡って祈りを捧げ、それを何周もする。
この時はすごくかっこいい。
汗だくになりマントラを唱えながらに一所懸命祈る姿は神々しくもあった。
ところがずっこける事に祈りながらも写真を撮れと目で合図を送ってくるのだ。
絵になるのでカメラを向けるとチラチラとこちらを意識してカメラ目線をくれるのだが、こちらとしてはもう少し集中して祈りを捧げなくて大丈夫かなと心配になる。
とても人間臭い。
修行僧として俗世を捨てたけど、fbで見知らぬ女の子にメッセージを送る。
しかも、文字入力にすればいいのにぼくの目の前だろうと御構い無しで音声入力でメッセージを作成するものだから、「ユーアーベリーブューティフル。ハウアーユー、マイニューフレンド」とか言ってる。しかも携帯の性能が今ひとつなのか彼の英語の発音が聞き取りにくいのか、携帯電話はなかなか彼の音声を認識せずに彼を嘲笑うかのような冷たい反応を示し、彼は負けじと繰り返し携帯に向かって愛を囁いている。
そんな彼の姿は、長年インドを夢見た僕のインドに対するイメージをある意味けちょんけちょんに踏みにじり、またある意味やはりインド!何でもありだなと変な期待を高めるものであった。
そんな彼が何故か動画に出ている。
残念ながらどういった趣旨の元に作られた動画なのかはわからないが、インタビューまで受けている。
気になって仕方ないけど気にしたって仕方ない。
彼が日頃の修行によってより精神的高みに到達し、立派な発言をしていると信じたい。
動画で見る限り元気そうだけど、彼の健康と幸せを遠く離れた日本から願っている。
ちなみに未だに毎日挨拶のメールが届く。
それはいいとして僕の服は今すごく焚き火臭い。
そして電車に乗っている。
周りの人にもこの匂いは気付くだろうけど一体何の匂いなのかわからないだろう。
結構迷惑な話だと思う。
ごめんなさい。
でも焚き火はいいものだよー楽しいよー






