前回の記事です、


本編。
 
どこかの小さな公園で眼を覚ますと、早朝にもかかわらずゲートボールの為に集まった老人の好奇の目を一身に受ける羽目となり、何とも居た堪れなくなりそそくさと出発。


朝の冷んやりする空気を切り裂くように自転車を走らせる。


かなり田舎で、線路に並行して走るが、線路は単線だし、遠目に見る限り無人駅なのではと思わせる程に小さな小さな駅だった。


傾斜こそそれほど大したものではないが、山間を走る。




すると突然竪穴式住居が姿を現した。


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あまりに突然だったので興味津々で自転車を停めて中の様子を伺う。

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すぐ隣にはちょうど見頃を迎えたコスモスが一面に咲き乱れていた。
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こんな家に住みたい。
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さっき「竪穴式住居」「コスモス」でGoogle検索したら、どうやらここは東有年沖田遺跡公園ではないかと判明。

弥生時代後期の居住後に復元して建てたものらしい。

客らしい人間は僕の他にはおらず、暇を持て余していたのか、はたまた話好きなのか、それとも義務感からか管理人らしき男性が話しかけて来た。


立派な建物と素敵なロケーションに感動した旨を伝えると喜んでいたけど、もしこういうのが好きだったら佐賀県にある吉野ヶ里遺跡に行って見るといい。ここより遥かにスケールも大きいし、きっと気にいるよ。と、教えてくれた。


礼を行ってその場を後にする。



先ほどの遺跡が東有年沖田遺跡であるならば、その時走っていた道は国道2号線。

国道2号線をひた走る。




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綺麗な苔に目がなく、ついつい自転車を停めてパシャり。癒される。


遺跡を出発して4時間、国道をそれて川沿いを走る。
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立派な寺が出現し、またしても寄り道。

本堂が立派だったのに、何故かこの写真しか残っておらず。


恐らくこの寺は西大寺だと思う。

川沿いにあって、とても気持ちが良かった。


理由はわからないが、何故かタイのサムイ島の寺院を思い出させた。

多分、風の匂いと太陽の傾き加減が似ていたのだと思う。

なんだか懐かしい気持ちになった。




ちなみに、この日の目的地は香川県の直島という島。

ベネッセが出資して、島全体がアートの島として知られている。


香川県とあるが、実は岡山側から船で行った方が近く、アクセスも良い。

とにかく船のある内に港まで行ってしまいたかった。

西大寺を2時半に出発。


船の出る宇野港までは約27kmの道のりだ。


船の最終便は20時25分なので、時間にはかなり余裕がある。


27kmなら3時間もあれば着くだろう。



港までは長い下り坂を一気に降り、気分爽快な反面、明日はこの坂を登るのかと思って少し気が重くなる。



日が暮れる前に宇野港到着。

船の時間を調べるとまだいくつか便があったので、港近くにあるスーパー銭湯へ。

スーパー銭湯なのになぜか女将がいて、女将は旅人が好きなのか、ただの標準のサービスなのか、温かい労いの言葉をかけてくれてそのまま男湯の前まで案内してくれた。

スーパー銭湯で案内されたのは初めての事だったので、面喰らってしまった。


着物の似合うとても綺麗な人だった。




風呂で汗を流し、さっぱりしたところで出発。


船着場であらかじめ買っておいたチケットを提出して乗船。


陽はまだかろうじて明るさを保っており、見慣れない瀬戸内海を望みながらの気持ちのいい船旅だった。


ほんの20分ほどの船旅ではあったけど、直島に着く頃には辺りは薄暗くなっていた。


直島に到着。


なんの変哲も個性もないどこにでもある港に降り立ち、とりあえず周辺を自転車でうろついていると、すぐに流石はアートの島の片鱗が見えて来た。

港の無個性とは正反対に洒落たカフェや飲食店がいくつかあり、その中でも特に異彩を放っていたのが下の写真の銭湯だ。


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言われないと銭湯とはとても結びつかない毒々しいサイケデリックな外観にしばし立ち尽くす。


しかし、ここはアートの島だという事を思い出しようやく目の前の現実を飲み込む訳で、初っ端でこのインパクト、これは期待以上の衝撃を受ける事が出来るのではと、明日の島散策がとても楽しみに思えてきた。



とりあえず腹も空いた事だし、せっかくなのでお洒落なカフェの中から適当に当たりをつけて夕食をとる。


何を食べたかは全く覚えていないがとりあえず腹を満たし、寝床を確保すべく恐ろしいほどに真っ暗闇の中を進み、安藤忠雄が設計した事でも有名な地中美術館のチケット売り場のなるべく人の来なそうな、且つ屋根のある場所を選んで寝袋を広げた。





モーター音と赤色灯の気配で目を覚まし、息を殺して様子を伺っていたが、お巡りさんが近づいて来た。


注意をされるかと思ったが、行方不明の女性を探してるとの事だった。


見てないと言うと、万が一見かけたら一報くれと言い残して走り去って言った。


夜中に野宿してる所に現れる警察官は、まるで不吉な物の象徴のようで、別にやましい事はなくとも全くもっていい気分がしないものだ。


再び眠りにつこうとするも、コンクリートの硬さと虫の音の大合唱と明日への期待と、行方不明になった女の子が何故こんな小さな島で行方を眩ませたのかという、いらぬお世話というか疑問がごちゃ混ぜになって妙な気分となり、なかなか眠る事が出来なかった。