ここのところ、日中はまだまだ30℃を超す日があるものの、朝晩はずいぶんと肌寒くなり、秋の訪れを感じます。

私、ここ一カ月くらい、断捨離に没頭しています。

 

 

お片づけ大好き人間の私にとって、洋服や食器を整理したり捨てたりするのは比較的簡単な作業ですが、厄介なのが、HDDに録画してある映画やドキュメンタリー番組の整理と断捨離です。

録画したものは直ちに編集して、ホルダーに分けてはいるのですが、現在、稼働中のレコーダーが3台あるので、映像数はどんどん増えています。

(録画したものを全部は見切れていないので、同じ映画を複数回録画していることもあります。あせるあせる

一応ディスクに保存する時、俳優別、時代別、テーマ別等々にはしていますが、ジャンルがどんどん増えて、分類保存に結構時間を費やしています。

 

 

その私的ジャンルの中に、ホロコーストをテーマにした映画を集めて収めたものがあります。

WOWOWで1度だけ見て気になっていたけれど、長いこと何処に行ってしまったか分からなくなっていた映画を、先日、とうとう見つけました。

それは、「おもちゃの国」、2007年のドイツ映画ですが、14分足らずのショートムービーです。

 

 

おもちゃの国

 

 

1942年、ドイツ人の6歳のハインリヒは、母マリアンと、とあるアパートに住んでいた。

お隣には友達のダーフィト(デビッド)が父母(ジルバーシュタイン夫妻)と住んでいた。

彼らはユダヤ人だった。

ハインリヒとダーフィトは、ジルバーシュタイン家で、毎日仲良くピアノを弾いていた・・・

今日でピアノもおしまいと言う日に、ハインリヒはいつもの曲の楽譜をもらい受ける。

 

 

実は明日、ジルバーシュタイン一家は収容所へ送られることになったのだ。

ハインリヒは母に聞く・・・

「ダーフィトたちはどこへ行くの?

 

 

答えに窮した母はとっさに答える・・・「″おもちゃの国″よ。」

「僕も″おもちゃの国″へ行きたい!」

「でも、あなたはついて行けないのよ。」

 

 

母に内緒で、ジルバーシュタイン一家について行こうとしたハインリヒに向かって、

ダーフィトが叫ぶ!「″おもちゃの国″なんてないんだよ!」

 

 

ハインリヒは、ユダヤ人を駅まで運ぶ輸送トラックに乗せてもらえずに置き去りにされてしまう・・・

楽譜の入ったトランクは、ダーフィトが持って行ってしまった・・・

 

 

そうとは知らないマリアンは、ハインリヒを探して、収容所へ向かう輸送貨車までやって来る・・・

 

 

ジルバーシュタイン一家を探し当てるが、そこにはハインリヒはいなかった・・・

 

 

ダーフィトに向かってマリアンは言う・・・「いっしょに帰ろう・・・」

 

 

ダーフィトのお父さんとお母さんに・・マリアンは目で語る・・・

究極の選択・・・

彼らもそれを受け入れる・・・

 

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二人の少年にピアノを教えていたダーフィトのお父さんはとても優しい人です。

こんなエピソードがあります。

ある日、ダーフィトのお父さんは、街でドイツ人から暴力を振るわれたのでしょう・・・

左のこめかみにはひどい切り傷ができました。

家に入れずにアパートの階段に座っていると、ハインリヒが登って来ました。

 

ハインリヒにその傷を見られてしまった彼は言います。

「誰にも内緒だよ。実は下の通りでサイにぶつかったんだ。」

すると、ハインリヒもナイショの話を打ち明けます。

「実は明日、僕も″おもちゃの国″へ行くんだ。」

 

純真無垢なハインリヒが残酷な現実に気づかないように守ってくれていたのです。

ただすでにその時には、ユダヤ人のダーフィトは、幼いながらも現実を分かって受け入れていたのです。

 

 

 

「私が責任を持ってダーフィトを生かします・・・」

マリアンは無言で彼らに伝えます。

 

 

マリアンはダーフィトを我が家に連れて帰る・・・

 

 

そして、ハインリヒとダーフィトは再会・・・(楽譜の入ったトランクも・・・)

「また、いっしょにピアノが弾けるね。」

テーブルを鍵盤にしていつものピアノの曲を弾く・・・

(ジルバーシュタイン家のピアノは壊されてしまっていたから・・・)

 

 

(その幼い指がいつしか老人の指に・・・

年老いても、二人は仲良くピアノを弾いている・・・

あれから60年以上の時が流れていた・・・

 

 

そして、ピアノの上には・・・

二つの家族写真とあの時の楽譜が・・・

(ハインリヒのお父さんは早くに亡くなったんだろうか?写真がない・・・)

 

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「おもちゃの国」  字幕は英語ですが、フル見できます。

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かくして私が録画した「おもちゃの国」は、「縞模様のパジャマの少年」と同じホルダーに保存されました。

 

 

では、もう一つの映画、「縞模様のパジャマの少年」。

これは2008年のイギリス・アメリカの合作映画です。

この映画でも8歳の同じ年のふたりの少年の友情が描かれていますが、「おもちゃの国」とは全く逆の悲惨な結末へと向かって行きます。汗汗汗

 

 

 

 

 

 

ブルーノは探検大好きな8歳の少年。

ある日、家の近くの農場のような施設で縞模様のパジャマを着た少年(シュムール)に出会う。

 

 

なぜかその農場は有刺鉄線で隔てられていた。

この柵のあちらとこちらで、ふたりは次第に心を通わせて友達になるが・・・

最後まで、そこがユダヤ人の強制収容所だと知らないブルーノ。

 

 

ある日、シュムールが、「お父さんがいなくなった。」と言う。

ブルーノは「いっしょに探してあげる」と言って、地面を掘って収容所に入ってしまう。

目立たないように、服を脱ぎ捨てて、シュムールの持ってきたパジャマに着替える。

 

 

収容所を走り回って、シュムールのお父さんを探しているうちに、

ガス室に送り込まれる集団に巻き込まれ、ふたりはガス室へ。

そこでは、お互いにしっかりと手を握り合って・・・

 

その頃、その収容所の所長であるブルーノの父は、

自分の子供をガス室に入れてしまったことに気付くのであった・・・

 

 

なかなか断捨離は進まず、映画の話になってしまいました。

「縞模様のパジャマの少年」は、見るのがつらい映画ですが、一度見てみてください。

 

 

そろそろハロウィンも近いのでカボチャケーキを作り始めました・・・

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