十月二十五日
10月25日。
今日は大切な人の命日でした。
今年も命日にお墓参りに行くことはできなかったけど、今までこの日を忘れたことは1度もないよ。
早朝、病院から電話があって、車を飛ばして駆け付けた。
あのときの電話だけは耳から離れない。
きっと死ぬまで離れない。
俺が病院に到着したときにはもう心肺停止状態で蘇生術が行われていた。
意識は当然あるわけもなく、話など当然できる状態ではないことは誰の目から見ても明らかだったけど、俺には聞こえた気がした。
長い闘病生活で苦しかっただろうに、辛かっただろうに、最後に「ありがとう」と聞こえた気がした。
医師が心肺蘇生を続ける中、「まだ行かないでくれ、戻ってきてくれ」と心から願っていたのに、その声を聞いた瞬間、俺も感謝の気持が溢れ出して、もう頑張らなくていいんだよ。と思った。これだけ頑張ってきたんだから、もう充分だよ。って。だからもう心肺蘇生を続ける医師にもう止めてくれと…
もちろん、苦しむ姿をもう見たくないっていう気持はあった。
けれどそれは諦めとかそういった気持ちではなくて、貴方からの想いを受け継いだような気がしたから。
今の俺があるのは貴方のおかげです。
色々なことを教えて貰って、かけがえの無いない思い出として俺の中に今でも生き続けています。