Lulu's Salad Days
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唐十郎著『佐川君からの手紙』

二週間ほど前のこと。芥川賞作家・唐十郎さんの死亡記事が

目に飛び込んできた。これを機に初めて手に取ったのが

『佐川君からの手紙』だ。以下、琴線に触れた箇所を抜粋する:

 

・今では、その机の染みを見て、祖母の寝汗をかぐことも出来る。

それがゆっくりと佐川君の手紙を抱き込み、重なりそうで離れてゆく

何かを徐々に馴染ませてゆく。なにやら、まじないじみているが、

古畳の上で、四つ足をもって構えている机が、わたしにはそんなふうに

見えてならない。

 

・標題も、「不在の中心点」と立てられ、彼の行為は、文化的視線の

陥没地帯に埋め込まれてしまったと言うのだ。

 

・その話を聞いた時、牛乳を飲み過ぎたような気になった。

 

・これは、霧を一つかき分けた僕の見方です。

 

・このサン・ジェルマンの本屋で、その本を漁る時、そのアパルトマンの

方角を背中に感じるだろう。

 

・あれは、愛してる者の体を探している女の旅姿だと。

 

・お前の顔は、肉を食べた魚のようだ、と。

 

・そればかりか、シャワー室で、焼けトタンを踏む猫のような叫びが

起こった。

 

・それは、妙な部屋だった。水族館の廊下のような部屋だった。

 

・パリ大学は、草月会館と豆腐の賽(サイ)の目を結婚させたような

学校であった。

 

・ヨーカンのようにスッキリとした輪郭のビルが並んで一通りは

余りなく、中庭に通じる門も開け放され、管理人がズボンのすそを

はしょって水を撒いている。

 

 

 

馬鹿や木瓜(ボケ)、独活(ウド)の大木の話

 悠遠(ゆうえん)の昔、秦に趙高(ちょうこう)と名乗る宦官が二世皇帝・胡亥(こがい)に鹿を献じて「馬である」と言った。群臣は怪訝(かいが)の念を抱くが命惜しさに異を唱える者は少数にとどまったと伝わる。「馬鹿」は白を黒と押し通す意味から転じたのだとか。

 

 明日手術を受ける百田直樹は『禁断の中国史』の中でこの語源に触れているが、一昨日にスタートを切った大河ドラマ『光る君へ』でも主人公のまひろが三郎相手に講釈を垂れていた。尚、米津玄師(よねづ・けんし)は当節流行の『馬と鹿』に「没我の熱狂」を込めている。

 

 YouTuberのMichele WangはDiptyqueから出た「Coing」にはまっている。「マルメロ」や「木瓜(ボケ)」を意味する「Quince」の香りがするのだとか。延いては「木」つながりで紅白に出場したキャイ〜ンのウド鈴木に想いを馳せる。ボーカルの千秋と同様、実に賢い。(敬称略)

 

木瓜(ボケ)の実

photo by George Chernilevsky(Wikipedia)

戦国の二俣から昭和の浜松へ

創造と破壊は表裏一体だ。戦国時代に植えられた種が

昭和に実り花開いた。

 

磯田道史著『徳川家康 弱者の戦略』の第四章「二つの

滅亡 長篠の合戦と本能寺の変」から以下関連箇所を引く:

 この二俣付近での戦闘はすさまじいものがありました。

そこで余談が二つ。激戦地帯だった二俣では大量の兵器が

必要となったはずです。そこで重要なのが鍛冶屋でした。

時は流れて、この二俣の近くの鍛冶屋の家から生まれたのが

ホンダの創業者・本田宗一郎です。偶然といえば偶然ですが、

いまの浜松の近くに多くのモノづくり企業が生まれているのは

事実です。それから、二俣城を徳川勢から守り抜いた依田家の

一族にあたる家来の中に、手塚という家がありました。

手塚治虫の家です。この戦いの中に身を置いた人々の子孫から、

昭和を代表する人物が出てくるさまを想像するのも、歴史の

愉しみのひとつでしょう。

 

 

星新一の予想した未来と皇室の危機

 秋篠宮家の”馬鹿(眞子・佳子)姉妹”が世情を賑わせている。皇宮警察は

”般若(紀子妃)”のご機嫌取りに余念がなく、宮内庁は広報室を設けた。

 

星新一著『未来いそっぷ』の「おカバさま」から以下関連箇所を引く:

 

 政府には<おカバさま省>という官庁があり、それらの一連の仕事を

やっている。カバ専門の医者がおり、カバの繁殖を高めるホルモン剤を

製造する国営工場がある。いうまでもないことだが、カバに危害を

加えようとする者を取り締る、特別の警察機構もあるのだ。

よもや解(げ)せぬ ユン・ゲサンの魅力

 ユン・ゲサンって何だかムカつく。その目つきは、
メッセンジャー黒田の持つ暗さと幾分かぶり、いつ
犯罪に走るか分からない危うさを孕(はら)んでいる。
身長だって180センチあれば格好が付くが、サバ
読んでいるようにしか見えない。それでも説明の
つかない不思議な魅力を感じるのは、色気の成せる
業(わざ)なのか、てんで見当がつかない。

                      (敬称略)









北岡悟のONE DAY

 
 哀戦士・北岡悟(38)は、正統な後継者として自らが
看板を背負う地下一階の格闘技ジムPANCRASEism
横浜で寝起きし、クックパッドでも人気沸騰中の、その名も
「北岡悟丼」をまめに拵(こしら)え、食す。冷蔵庫には
添え物のキムチや納豆、卵やほうれん草を常備している。
その姿は、図書館の地下に住み、好物のドーナッツを
カリッと仕上げる羊男そのものだ。村上春樹なら、あるいは
時折ポエムを呟(つぶや)く彼を昇(ノボル)と名付けるに
違いない。

 北岡悟は、美女を除く一般人からの接近を峻拒し、如何なる
祝福(ドイツ語:Segen)も贅言(ぜいげん)と受け止め
かねない程苦り切っている。Warnungen werden per Twitter
herausgegeben, damit ihm niemand zu nahe tritt.それでも
内向(ないこう)する不満を持て余すcrybaby SALAMIへの
接し方を心得ているとみて、共通の関心事であるオシャレを
追求する場面が目撃されている。彼女にしてみれば、顔に殊更
(ことさら)力を入れ、頷(うなず)いてみせる彼がセコンドに
付いてこそ心丈夫(こころじょうぶ)というもの。また独特の
文章や顔芸から、他の選手とも気脈を通じている実態が窺える。

 これまで払った犠牲は数知れず、結婚の軛(くびき)に
繋(つな)がれることなく素志を遂げ、実家とも連絡を
とらない。連敗や怪我、それに伴う哀愁も、木強漢(ぼっ
きょうかん)の魅力だ。Er sieht einer ungewissen Zukunft
entgegen.嫌なことが重なると辛い、とはいえ、奇人たる者、
理解を求めていない。Na ja, bei ihm weiß man nie so recht,
woran man ist.

                         (敬称略)

青木真也のプロレス道 番外編

 飽く迄も格闘小作農であるところに自分を規定する

青木真也(35)は、DDTプロレスリングに所属する

HARASHIMA(44)の持つEXTREME王座に挑み、

事を処するにあたって、ルールの明文化を求めた。

代理人は、万(ばん)やむを得ず、その注文を容れ、

曖昧な残りは差略して常法通り商業ベースに乗せた

(und vermarktete ihn ordnungsgemäß)。

 

 老後は、心に田園的な平和をもたらすためか都塵

(とじん)を避け、育った静岡で静かでロハスな隴畝

(ろうほ)生活を送るつもりだろうが、その人生設計は、

妻と三人の子供と離れて質素な都会生活を送った

英国の劇作家ウィリアム・シェークスピアと似ている。

青木は、切所(せっしょ)の体験を重ね、その努力が

体質化した(eingefleischt)今、更なる高みに立つべく

エネルギーの出力技術を磨いている。Er hat so 

manches regelrecht verinnerlicht.

 

 故郷や格闘技、自己への愛は、尋常一様のものではない。

He is a bit of an exhibitionist. たとえ目上が病み上がりで

あろうと、陋劣な手段を弄し、表現の規制に一顧もしない。

Ein Unding, befinden konventionelle Kampfsportler. 法網を

犯さずとも(zwar strafrechtlich einwandfrei)、これまでの

言動に問題がある。そこで私が正邪を明らかにするべく

妙な使命感に燃え、何か説き付けるような舌戦筆闘を

繰り広げても彼の驕気を破ること能(あた)わず、本人が

前非(ぜんぴ)を悔い、陰に照顧をなす他、道なし。

 

 されど文を興し、武を振う彼も商品として少なからず

踊らされている。智仁勇の三徳を全て兼ね備えた知人や

友人は皆無、それで心に慮(おもんぱか)りて馬鹿を見る。

とまれ種々の浮説が紛々(ふんぷん)と舞う中、青木を

剛(GO)の者と見做す二人のブレインが政戦両面から

彼をサポートしている。その自覚がなくなった時点で

自己陶酔が始まる。

 

                               (敬称略)

 

 

 

今日はウインクの日

 由無(よしな)し事(ごと)でも書きとめておくに

如(し)くはない、という訳で本日の話題である

ウィンクについて暫(しば)し想いを巡らす。

 

 私も何度か白人男性とかにウィンクをくらった

ことがあるが、あれってピンポン・ダッシュ的

悪戯心(いたずらごころ)でするものなのか、

知りたいところだ。

 

 

ウインク、右と左どっちが得意?

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シューベルトのアンプロンプチュ

 即興の醍醐味、それは自然法爾(じねんほうに)の

中に自らを置くことだ。思考に道筋をつけること

旋律にリズムを加えるが如し。

 

 

バッハのゴールドバーグ変奏曲

 バッハは、睡眠障害を抱えていた伯爵のために

この変奏曲を作った。ゴールドバーグは、この曲を

演奏したチェンバリストの名前である。

 

 

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