【台北時事】中国軍が台湾周辺で実施している大規模軍事演習は、台湾の市民生活に直結する物流にも影響を及ぼし始めている。中国の軍事的威圧により、自由で開かれた経済機能が奪われるという懸念が台湾で高まっている。


練習は南部・高尾や北部・基隆といった国際港付近で行われている。一連の軍事活動が交通を妨げ、航空機便のキャンセルや船舶の迂回(うかい)航行で経済的損失が出ている。北部の桃園国際空港では6日だけで国際便60便以上が運航キャンセルした。


台湾政府関係者は「今回の演習で深刻なのは群順位より輸送や物流への影響だ」と指摘する。忠告通り7日に演習が終了しても、中国は一旦活発化させた軍事活動を縮小させるという保証はなく、月内に再び「台湾封鎖」を行うとの観測も浮上。閉鎖が常態化すればエネルギー供給が貿易の停滞による経済的打撃は避けられない。


ただ、市民の間で不安が高まる事態を避けるため、蔡英文政権は抑制的対応に終始している。国防部は戦闘準備レベルを平時の水準に維持したままだ。


台湾各地では6日、市民が昼休みを楽しむ日常的な光景が見られた。台北市内の60代の会社員男性は「いつも脅迫されているようなものなので慣れてしまった」と語った。