17世紀中頃にベネチアで活躍した作曲家の作品が紹介されました。


1.ジョバンニ・レグレンツィ



ミサ曲より「キリエ」「グロリア」



ジョバンニ・レグレンツィ(1626ー90年)は北イタリアのベルガモで活動したあと、1670年にベネチアにやって来て、1685年にはサン・マルコ大聖堂の楽長に就任しました。また、オペラ作曲家としても活躍しました。



このミサ曲は、1654年に出版された彼の宗教曲集に載せられているものです。楽器編成は地味ですが、すでにバロック音楽特有の陰影のある旋律が聴かれました。



2.アントニオ・チェスティ


オペラ「ティート」より、アリア「ヘレニーチェはどこにいるのか」



17世紀のベネチアはオペラ興行の中心地でもありました。当時ベネチアで活躍し、後ぬウィーンで「黄金のリンゴ」を作曲した、たアントニオ・チェスティのオペラ「ティート」の中の第3幕第8場のアリアケが紹介されました。



カウンターテナーのルネ・ヤーコブが歌っていましたから、もとはカストラートの役どころだったのでしょう。



3.ジョバンニ・レグレンツィ



ソナタ「ラ・ベグレンツィ」


この作品は1656年にベネチアで出版された、彼のソナタ集第2巻に載せられているものです。



リュートの通奏低音とヴィオールの組み合わせが特色です。



4.ジョバンニ・レグレンツィ


「マニフィカト」



かれが1654年に出版した宗教曲集に収めれています。レグレンツィは17世紀の重要な作曲家の一人というますが、最近になって再評価が進んでいるようです。



トリオ・ソナタの形式は彼により確立されたと言われています。