1、J・S・バッハ


「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽帳」よりレスタティーボ「私は満ち足りて」


アリア「眠れ、疲れし我が子よ」



アンナ・マグダレーナ・バッハはJ・S・バッハの2人目の妻で、ケーテン宮廷のソブラノ歌手でした。この音楽帳は、彼女のためにJ・S・バッハが書いたものですが、彼女は結婚後は家庭内でしか歌う機会がなかったのでしょう。



2、ゲオルグ=フィリップ・テレマン


「忠実な御崖の師」から「トリオソナタ・イ長調」



テレマンは最初の妻には結婚後一年で先立たれ、再婚した妻は、ギャンブルにはまり、おまけにスウェーデンの軍人と駆け落ちするというように家庭的には不幸でした。



このトリオソナタには、各楽章に歴史上の悪女の名前がつけられています。一種の風刺でしょう。


3、ジャン・マリー・ルクレール



オペラ「シラとグロキス」から「序曲」と第1幕の抜粋


フランスの音楽家でヴァイオリン奏者であったジャン・マリー・ルクレールは、最初の妻には、結婚後まもなく先立たれ、再婚した妻は楽譜を掘る職人の娘でした。



彼女は生涯、ルクレールの作品の印刷のために原稿を彫り続け、夫の音楽活動を支えました。


この作品はグロキスに恋をした魔女シラの物語ですが、いかにもフランス・オペラらしく合唱が入っていたり、当時流行した。田園をイメージしたさせる楽器出歩いミュゼットが使用されています。


4、ジャン・マリー・ルクレール


「ヴァイオリンソナタ・ト短調」(トンボー)



ルクレールは晩年は妻との仲がうまくいかなくなり、ある晩に背後から差されて命をなくします。


容疑者として、第1発見者の庭師、同じく音楽家であった甥、それと妻の三人が疑われましたが、捜査は不思議にも、結局それ以上は進まず迷宮入りとなりました。



この作品は彼の葬儀の際に編曲されて演奏されました。「トンボー」の副題がついているにしては、華やかな感じがしないでもないです。それとも、こういった雰囲気がルクレールの性格だったのでしょうか?