1、(伝)J・S・バッハ


「トリオ・ソナタト長調」



J・S・バッハは息子たちや弟子を熱心に教育したことで知られています。この作品は通奏低音のパートにJ・S・バッハの他の作品のパートが使用されており、J・S・バッハが息子か弟子に与えて、作曲の課題としたものと思われます。



主旋律の運びなど、J・S・バッハとは少し違うように感じます。



2、作曲者不詳


トリオ・ソナタト短調



この作品はJ・S・バッハの作品ではないことは判明しており、息子ねC・F・E・バッハの作品とされてきました。



しかし、彼自陣が「これは自分の作品ではない」と言っていることから、複雑な事情が考えられます。いまだに成立の経緯については、はっきりとは分かりません。



3、「組曲第5番ハ短調」から抜粋


アントワーヌ・フォルクレー作曲、ジャン=バティスト・フォルクレー編曲


この親子の関係は非常に複雑で、父は息子が優れたヴィオール奏者の才能を示し始めると、喜ぶどころか、むしろ嫉妬し、パリから追放したりします。



この作品は息子ジャン=バティストが、父アントワーヌの作品をクラブサン用に編曲したものです。


4、「ヴィオール曲集第5巻」から「マレの息子のためのトンボー」と「シャコンヌ」


マラン・マレ


マラン・マレ親子も優れたヴィオール奏者でした。親子でルイ14世の前で御前演奏をしたこともあります。



しかし、息子は若くして亡くなったため、父マラン・マレが追悼のためのトンボーを作曲したのがこの作品です。



続く「シャコンヌ」も同じ曲集に納められています。



バロック時代の親子関係にかかる音楽について、ご紹介しました。