『大日本人』
2007年日本映画 113分
監督:松本人志
脚本:松本人志 高須光聖
出演:松本人志 UA 他
テレビ見ながらブツブツ言うのは歳取った証拠だと思うけど、まあブツブツブツブツ、自分でもうるさいなと思うくらいブツブツ言いながら録画観た。
NHK、松本人志大文化祭。その中でやってたのが、この第一回監督作品。
どんな映画であっても、映画である以上は敬意を持って向き合い、平等にコレクションしようというのが私のポリシーでもあるのだが…うーん…。これは、ちょっと消しちゃおうかなって思ってる…。もうだって正直、うち、引くほどDVDあるんだもん…。今度東京で地震来て死ぬとなったら絶対私の死因DVD絡みだもん…。一本くらい消したってどうってことないよね…ということで、ここに書いて成仏させようと思う。
内容についてはつべこべ言わない。オチが訳分からんとかいうのももはやどうでもいい。私がこの映画で気になった、というか、耳障りで不愉快であったとすら言えるのは、主人公の大佐藤(松本人志)の喋り方。どこを切っても関西訛りの東京弁。これは私、もうホントに映画として致命的な欠陥だと思った。
大佐藤は、西武線沿いの練馬辺りに住んでるっぽく、代々「大日本人」業をやっているという家の性質から言っても、この人が関西出身であるはずはない。でも口ぶりは松本のまま。一応、かたち上は東京弁なのだけど、イントネーションとか、言葉の選び方とかを、大佐藤という人物に合わせる気がさらさらない。
これじゃ感情移入できない。大佐藤、人じゃないんだもの。松本が中に入ったキャラでしかないんだもの。そら113分ついてくのがキツイのも当然だわ。「そういう描き方もある」と言うのであれば、「じゃわざわざ映画のフォーマット使う必要もなかったんじゃねえの」と、単純にそう思う。「コントでよかったんじゃねえの」と。
照れと甘え。映画の前後のドキュメンタリーとかでも匂って匂ってしょうがないのは、松本という人のそういう部分。熟慮の末に腹括ってそうしてるんじゃなくて、難しいことは分からないんですよ、という単なる自分本位の開き直り。そう言えば、「学生の頃勉強しなかったけど英語だけはちゃんとやっとけばよかった、割り算とか要らんから」みたいなこと言ってたけど、そういうのもさ、
じ ゃ 今 か ら や れ よ
ということじゃないのかね。本気で海外を視野に入れてるんだったらね。たけしなんかだとそんなこと絶対人には言わないでバリバリやるよね、たぶん。
あと、ブツブツついでに書いとくと、なんか妙にこの人「普遍的」って言葉を使うけど、どの程度にその言葉を理解してるんだろと思った。「100点取るような」とか「観てる人を圧倒するような」って意味で使ってるっぽいんだけど、そんな他律的な基準、「普遍」の対極にあるもんじゃないのかね。大体、100点っていう基準は誰が作るんだよっていう。
「お客さんは分かってくれないんですよ」と言いつつ、認められること、褒められることを何より敏感に意識してる甘えというかさもしさというか、いやホント、同世代でダウンタウン好きだった人なら大なり小なり感じると思うんだけど、寂しい。言ってること、高校生の小論文並みの未熟さなんだもの。それ以下かも知れない。「そういう考え方もある」というレベルじゃなく、もう明らかに、こっちの顔が赤くなっちゃうくらい隙だらけなんだもの。
まあそんなようなことをのべつ呟きつつ、手元は休まず棒針を動かして、編みかけのスヌードの丈もだいぶ伸びましたと、そういう映画でした。合掌。
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このブログの処遇をどうしようかなと実は思っている。「2」にしたものの、二つあってもしょうがないというか、あんまり効果的に住み分けができないというか、そもそも元のデザインの方がマシだったというか。
それに、映画に対する私の考え方も最近だいぶ変わった。観てはいるけど、そこばかりに興味が向かなくなった。代わりに、本読んだり編み物したり、あとあれですよ、教習所通ったり。一年前の私であれば絶っっっっ対にありえなかったことが、意外とすんなりありえている。
成長だか病理だか分かんないけど、ともかく何だか興味深い変化が現れているのは確かで、だからこそ今まで通りのフォーマットじゃ合わなくなってきた。何か書くならこんなとこに書いてる場合じゃないというか、もっと形を考えなきゃいけないとも思っている。
なのでいろいろ考えつつ…とりあえず、書きたい映画があったらまた書く、というくらいのスタンスでこのブログのことは様子見ていこうと思う。
別れた妻とファミレスで言い争いになる大佐藤。
カメラに向かって娘の顔は映さないでほしいと言う元妻に、
大佐藤「なんでモザイクなんかかける必要があるんだよ」
元妻「言われるの私たちで、いじめられるんだからセリアが学校で」
大佐藤「(声荒げ)いじめられるわけないじゃないかそんなことで」
元妻「言われる…(制して)もうちょっと…」
大佐藤「な、何だよ…何もは、恥ずることないじゃないか…!」
元妻「だからモザイクだけかけてもらったら…」
大佐藤「だからモザイクのかける意味が分からないんだよ」
元妻「えだからあなただけ映ればいいじゃない私たちはいいから」
大佐藤「モ…モザイクをかける…ことじゃなくて、もっと…やり方があるんじゃないのか!?」
このやりとりの不自然さが特に気になったというだけです。
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