Xでちょっと話題になっていた「イッピツアヤル」が私のTLにも流れてきたので、せっかくだからと読んでみたのですが……。

 

 結論から言うと、私には合いませんでした。

 全体的に読みにくさを感じ、「このコマって何を表現したいの?」「ここからどういうストーリーに持っていきたいの?」と困惑することが多く、試し読みを半分ぐらい読んだところでもういいや……となってしまいました。

 以下、辛口感想です。

 

 1.主人公の個性をあまり感じない

 一読して「主人公はどんなキャラクターなのか」が印象に残りませんでした。ヒロインをずっと目で追っている直向きなタイプかと思いきや、そのヒロインを追って顔を出したはずの書道部で感じの悪い部長に入部を拒否されたらあっさり諦める。ヒロインのかわいくて落ち着いた雰囲気が好きと言っておきながらギャップを感じさせる力強い書には戸惑いや驚きを示すこともなく「派手!かっこいい!俺もこんなデカい字書きたい!」と大はしゃぎ。シーンによって受ける印象が違いすぎて結局何も残りません。

 また、ヒロインに書道部を案内してもらって感想を伝える重要シーンで二度もほぼ変わらない構図で「(ヒロインの名字)さんスゲー!」と何の特徴もないはしゃぎ方をするため、セリフ量のわりに主人公の価値観や考え方が見えてこず「なんかモブっぽいな」という印象を受けました。ここは主人公独自の視点から感想を伝えてヒロインと読者の印象に残るシーンじゃないんですか?

 総じて主人公の性格や価値観がわからず、「難読名前という設定のある出番が多いモブ」ぐらいの印象に留まっています。

 

 2.ヒロインの魅力が表現されていない

 正確に言うと、「可愛さを示す記号」は色々と使われています。顔立ちとか仕草とか言葉選びとか、「可愛いヒロイン」を目指したんだろうとは感じました。

 でも、主人公の台詞だとヒロインの魅力って「落ち着いた雰囲気」のはずなんです。それがまったく絵や言動に表れてない。むしろキャラクターデザインも言動も小動物系の無邪気な可愛らしさっていう感じで、そのミスマッチがとても気持ち悪かったです。だからヒロインのことをどういう目で見たらいいのか分からないし、「主人公はこのヒロインのどこが『落ち着いた雰囲気で好き』なんだ?」というノイズが常に付きまとう。

 ヒロイン単体での方向性が迷子なだけでなく、的はずれなヒロイン評を掲げている主人公の浅さも気になりました。

 

 3.話の筋が見えない

 上記の二点が主な原因だと思うのですが、「結局誰が何をしようとする話なの?」というところが全然見えてこなくて読んでいて非常に疲れました。

 書道ものとして読むには主人公の「書への向き合い方」があまりにも虚無。名前に関しても私が読めた範囲ではほぼ誰にも正しく読んでもらえないことと名付けの理由しか書かれておらず、この後綺麗に書けるように猛練習すると言われても「なんで?」という感想しか出てきません。「字を書くこと」に対する主人公のモチベーションが低すぎます。

 一方ラブコメとして読むには主人公からヒロインに向ける感情が薄すぎる。そもそも、友達から「また見てる!」と言われるほど目で追っているのに挙げられる好きなところが雰囲気だけって何なんでしょう。部活すら知らないのはどうして?何がなんでも同じ部活に入って親しくなるんだという熱意も無いし、現状「秘めた恋」どころか「関係が一切進展しなくても全然構わない程度の淡すぎる憧れ」しかないですよね。だから読者としてもこの二人の関係に期待できないんです。

 そういうわけで、悪い意味で展開が読めない。何に期待したらいいのか分からない。これ、何の話なんですか?

 

 あと、些細なことかもしれないけどサムネの字体が読みにくいし作風とも合ってないように思います。ラブコメ感を前面に出したポップな雰囲気にしたいんだと思うけど、もう少し細い字の方がたぶん合ってる。

 

 というわけで、久しぶりの感想投稿でした。趣味とはいえ創作活動をしている身からするとここに書いたうちのいくつブーメランなんだろう……と戦々恐々とするところでもありますが、引き続き頑張っていきたいと思います!