続き
【鳥の亡骸画像添付のため閲覧注意】
ヒヨドリが30m前の木にとまっている。こちらへの警戒は薄い。
急いでスタンディングのまま構えると、倍率10倍に調整していたスコープにヒヨドリを捉えた。
拡大されたその姿は、、、とてもかわいい。
しかしこれまで幾度となく躊躇し、逃してきた私は、次にチャンスがあれば迷わずトリガーを引くと心に決めていた。
「ごめん!」
そう声に出して発射
弾はヒヨドリの真下を通過
50mにゼロインにしていたため少し下方に撃ったが下に行き過ぎたようだ。
発射音に反応してヒヨドリはキョロキョロしているが、まだその場から動かない。
急いで装填
今度は少しだけ下方にレティクルを合わせ、、、、発射
パァァン!!
当たった!
枝に絡まり、逆さになって宙吊り状態でぷらーーん
その間、私はというと軽く放心状態
その数十秒間後、自重でボトッと落下
「当たった..」
嬉しさ3割、怖れ7割といった心境だった。
生き物を殺めてしまったことへの罪悪感や、生きてバタバタもがいていたらどうしよう、といったことを想像しながら、足取り重く落下地点に近付いていった。
刺々しい木々をかきわけるとあっさりヒヨドリを見つけた。
赤い実のなった木があるなーと思ったら、ヒヨドリの鮮血だった。
恐る恐る木の棒でつつき、死んでいることを確認すると、手を合わせて黙祷をした。
両手で包み込むように持ち上げるとまだ温かく、つい数分前まで生きていたことが感じられた。
回収すると、せめて美味しくいただくため、感傷に浸ることなく腸抜きすることだけ考えていた。
これまで暇さえあれば見てきた解体の動画を思い返しながら、羽を毟り、腸を抜いた。
料理を一切やらないのに何とかなるものだ。
本当は落ち着いて自宅の庭で解体したかったが、スーパーに売ってるような精肉された状態にしないと妻に狩猟の素晴らしさを理解してもらえないと思い黙々と解体した。
解体したヒヨドリを助手席に乗せて帰り、ようやく嬉しさがこみ上げてきた。
どうやって美味しく食べようかな、と。