11月6日

 

先日、ある作詞家志望の女性の方から上記のようなご質問がありました。

 

その方は作詞家志望で、コンテストに合格した経験がおありなのですが、歌詞を書いて

幾つかレコード会社にお送りしてみたけれど、ご連絡がないとのこと。

 

その昔、二十年、三十年前あたりはレコード会社のディレクターさんやプロデューサーさんに作品を郵送し、ご連絡が来て作詞家になった方はいらっしゃいます。私の親しい作詞家さんでもそういう方がいますよ。もちろんピカッと光る目立つ才能があったせいでそれを認めて頂けたのでしょう。

 

でも、今はどうでしょうか。よほど「これはすごい!!」と思われなければ難しいような気がします。

制作の方はお忙しいし、作家を育てる時間や空気はあまりないような気がします。

 

ただ、今はインターネットがありますから、検索していくつかの作家事務所(作詞家、作曲家の事務所)を検索して、そこにプロフィールと作品をお送りしてみては?と、その質問の方にはメールでお伝えしました。

 

どこかの事務所で可能性があると感じて頂ければ、ご返事が来るかもしれません。

もちろん最初のうちは、コンペに勝ち抜き、たくさんの実績を積み上げていくしかありません。

 

ただ、私自身は若い時、作詞家になる前は作家事務所というものの存在すら知りませんでした。

 

でも、とにかく作詞家になろうと勝手に考えていたので、誰か業界の方を紹介してもらおうと、周囲のたくさんの人にそのことを伝えました。

 

親戚を通じてある有名なミュージシャンにも送ったこともあります。今考えたらミュージシャンの方では筋違いだと思いますが、そのころは全く音楽業界のことを知らなかったので、わらにもすがる気持ちだったのです。

 

その某有名ミュージシャンは親戚を通じての伝言で、作品をほめて下さいましたが、まぁ、当然ながらそこで止まりました。

 

でも、多くの人たちに、誰か音楽業界に知り合いがいたら教えてーー紹介してーーと言いまくっていたせいで、ある日、友人に誘われその友人の知人のお宅に伺った時、その家の方が、「私の知人が業界の方なのてお話してみましょうか」と言って下さったんですね。

 

そこでご紹介頂いて、その会社に伺い、若い女性社長に作品を見て頂けたわけです。

 

すると、その方がたくさん持参した作品をじっくり見て、しばらく黙ったあと、「・・・そうね。いけると思いますよ。」と言ってくださったのです。嬉しかったのでその時のことは今もよく覚えています。

 

そして、レコード会社や、その後所属した作家事務所もご紹介して下さいました。

 

・・・と書くと簡単そうですが、これがなかなか過酷な道でした。

 

とにかく、こちらが売り込まないのに運よく業界の方と知り合ったり、向こうから書いてみない?と誘われたり、偶然書いたものを見てもらってスカウトされたり、というようなラッキーなハプニングはなく、私の場合は自分で探して、売り込みました。

 

 

今はネットかあるので、あの頃よりずっといろんな情報がありますね。

 

とにかく自分で動くことからすべては始まると私は思っています。