(意味が解らない方は第1話のスフレの回を熟読ください)
今日のデートはおしまいのつもりだった広尾駅でそう言われて動揺し、ノープランとはいえ慌てて魚民に行ってはいけません。
なにしろ…
『この人となら苦手なお酒の席でも楽しく過ごせそう…』
そう思ってもらうためにはお店選びは大切です。
とりあえず初デートです。
あまりにも雰囲気の良過ぎるエロい創作居酒屋系の店やホテルのバーで彼女を警戒させてもいけませんし、学生さんが宴会をやってそうな大衆居酒屋チェーンもいけません。
それから初デートは“深追い”は厳禁です、間違っても終電まで連れ回してはいけません。
飲み足りない、話足りない程度がでちょうどいいんです。
1~2杯飲んで帰れる店を考えましょう。。。
西麻布に戻って交差点の角にあるアメリカ大統領も行った有名居酒屋もアリですが帰りの交通の便も悪いし、なにしろそこは人気店、この時間からはまず入れないでしょう。
とりあえず電車で一駅の恵比寿を目指しながらお店を考えます。

『そうだ、貫井企画で飲もう!』
(あら?知らない?今どき誰も覚えてない?10年前のドラマだし仕方ない?)
…ほら~、堤真一が独立して坂口憲二と広告代理店の事務所を立ち上げて矢田亜希子ちゃんのつもりが気がついたら深津絵里ちゃんとラブラブになっちゃうドラマで主題歌は小田さんの“キラキラ”のやつ!
そう『恋ノチカラ』の舞台。…

ずいぶん昔に流行った店で老舗の部類ですがカジュアルな店内とメキシカンな料理はリラックスできます。
とりあえずあなたがビールを頼むと彼女はメニューを見ながら迷っています。
何故ならここは南アメリカ料理の店、飲み物のメニューはテキーラをベースとした物が中心で、一見お酒の強そうな物ばかりだからです。
そこで血迷って
『カルピスサワー(^o^)/』
なんて言ってはいけません、そんなもんありません。
慌てず騒がすリキュールの欄を急いで見るとカシスがあるはずです。
そう、困った時の「カシスのウーロン茶割り」を彼女の代わりにお願いしましょう。
口当たりも良くて甘い割にはサッパリするこのカクテルはお酒が苦手な彼女も気に入るはずです。
当たり障りないシーザースサラダや当たり障りないチーズチリナチョスをツマミますが、ここまでの工程を無難にこなしたあなたにはもう怖いものはありません。
そうです、きっと二人の間には笑い声が絶えない会話がなされているハズです。

トドメは自分の分としてフローズンストロベリーマルガリータを頼みましょう。
シャーベットの様なお酒ですがスッキリサッパリしますし、なによりストローが付いてきます。
『あたしも一口飲みた~い

そう言って彼女がストローを口にした瞬間、あなたは今日の勝者となるのです。。。
少しのお酒で顔が赤くなった彼女の笑顔はきっと今日一番の笑顔に違いありません。

帰りは恵比寿ガーデンプレイスを経由して少し酔いを冷まして帰りましょう。
お酒の力もあってロマンチックな気分にもなりますし、ここは“花より男子リターンズ”の最終回で道明寺と牧野つくしちゃんがチューをした場所です…。
がしかし、調子こいてチューをしてはいけません。
早すぎます!
しかもあなたは松潤ではありません。
そんなこと考えてる暇があったら次のデートの約束を取り付けましょう。
ゆっくりと二人で愛を育み、少しずつ進展する恋を楽しむのも大切なことです。
そしてその夜、彼女からは素敵なお礼のメールが届くのは間違いないでしょう。
それでは健闘を祈る。